「貯蓄がゼロの60代」が意外に多いのは、なぜか。

fongleon356/shutterstock.com

60代といえば、定年退職を迎えたり、教育費のかかる時期がひと段落したりと、金銭的な余裕がうまれやすいタイミング。「還暦過ぎたら貯蓄のエンジンをかけよう」と意気込んでいる人も、いるかもしれません。

たしかに、最近では定年延長や再就職といった選択肢も増えてきています。しかし、「60代になってから貯蓄しよう」という考えには注意が必要です。今回は「貯蓄額ゼロの60代」にフォーカスをあてながら、熟年世代のお金事情をひもといていきます。

続きを読む

60代の預貯金額のリアル

さいしょに「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2019年)」をもとに、60代の預貯金の状況をみてみましょう。

  • 60代(60~69歳)の預貯金の平均額・・・1464万円

60代の預貯金の平均額は、1000万円を大きく超えるという結果になりました。この金額をみて、「自分が60代になったとき、こんなに貯めている自信がない」と感じた人も多いはず。退職金をもらえるケースがあるとはいえ、本当に60代の方の多くが1000万円以上も貯めているのでしょうか。また、その貯蓄を切り崩さずに生活をしているのでしょうか。

60代で資産が減るケースも・・・

「年金や退職金があるし、60代になると資産が増えるだろう」と考えている人もいるのでは。しかし、実際はそうとも言い切れないようです。ここで、60代における「前年度と比較した資産の増減」に関する調査結果をみてみましょう。

  • 増えた・・・13.7%
  • 変わらない・・・48.3%
  • 減った・・・32.9%
  • 無回答・・・5%

ご覧のように、「増えた」と答えた人が13%であるのに対し、「減った」人はその2倍以上の32%となっています。では、「増えた」人、「減った」人の理由、上位3位についてもみていきましょう。

資産が「増えた」理由 トップ3

  1. 定例的な収入が増えたから・・・28.4%
  2. 相続、退職金等による臨時収入があったから・・・27.4%
  3. 定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから・・・25.3%

資産が「減った」理由 トップ3

  1. 定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから・・・53.2%
  2. 耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから・・・31.2%
  3. 株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから・・・23.1%

こうみると、リタイアによって定期的な収入が減り、金融資産を切り崩しながら生活している人の多さがうかがえます。年金がもらえるとはいえ、それだけで生活費をすべてカバーするのは難しいのが現状のようです。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
執筆者
LIMO編集部

LIMO編集部は、日本生命やフィデリティ投信で証券アナリストやポートフォリオマネージャーであった泉田良輔を中心に、金融機関勤務経験のある編集者やライター、ビジネスネットメディアやファッション誌、業界紙での編集・執筆経験のあるメンバーで運営をしています。沿革としては、LIMOの前身である投信1(トウシンワン)は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に立ち上げました。Longineのサービスは2020年3月に終了となりましたが、Longine編集部のメンバーは引き続きLIMO編集部のメンバーとして在籍し、お金のプロとしてコンテンツ編集や情報を発信しています。LIMO編集部は、国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。