ニチハ、2Qの営業利益は前年比24.6%減 高付加価値商品の拡販に努めるも住宅着工戸数減少が影響

2020年11月12日に行われた、ニチハ株式会社2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ニチハ株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 山中龍夫 氏

連結業績サマリー

山中龍夫氏:ニチハの山中でございます。本日はみなさまご多忙の折、弊社決算説明会のライブ配信をご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。本来であれば会場での開催を予定していましたが、新型コロナウイルス対策のため、ライブ配信での開催となりました。ご了承いただければと存じます。

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最初に、連結業績サマリーについてご説明申し上げます。2ページをご覧ください。 2021年3月期第2四半期決算の連結業績につきましては、売上高は573億8,100万円と、前年同期比5.3パーセントの減収。営業利益は45億8,300万円と、同じく24.6パーセントの減益。経常利益は45億3,100万円と、同じく26.4パーセントの減益。親会社株主に帰属する四半期純利益は32億8,700万円と、同じく32.2パーセントの減益となりました。

2021年3月期通期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、住宅市場の落ち込みが期初の想定よりも小さかったことなどから、本年5月8日の公表値を上方修正し、売上高は1,160億円、営業利益は95億円、経常利益は96億円、親会社株主に帰属する当期純利益は67億円を予想しています。

2021/3期 国内市場四半期別推移

次に、2021年3月期第2四半期の実績についてご説明いたします。4ページをご覧ください。まず、国内事業についてご説明申し上げます。

住宅市場におきまして、新設住宅着工戸数は、消費増税に伴う前年度からの減少傾向が続く中、新型コロナウイルス感染症の影響が追い打ちをかけ、当上期全体で41万4,000戸と、前年同期比11.3パーセントの減少となりました。

これに伴い、窯業系外装材業界全体の販売数量についても1,405万坪と、前年同期比11.7パーセントの減少となりました。

このような状況の中、当社は主力の窯業系外装材におきまして、耐候性に優れた「Fu-ge」、塗膜30年保証に対応した商品に代表される高付加価値商品の拡販に努めました。また、本年1月以降は高級品タイプの軽量化への切り替えを順次実施し、工事施工者にも優しい商品としました。

こうした取り組みにより、業界内シェアは前年上期の49.8パーセントから53.8パーセントへと、前年同期比4ポイント上昇いたしました。なお、第2四半期に限れば、54.5パーセントに達しています。これらの結果、当社販売数量については、市場と比べて落ち込み幅を抑え、前年同期比4.6パーセントの減少となりました。

2021/3期第2四半期 連結業績

次に、損益についてご説明いたします。5ページをご覧ください。国内外装材につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による業界全体の落ち込みが大きく、シェアアップでその一部を吸収したものの、455億600万円と、前年同期比5.1パーセントの減収となりました。

米国窯業系外装材事業の売上高についても、新型コロナウイルス感染症の影響により71億3,800万円と、前年同期比4.1パーセントの減収となりました。以上の結果、売上高は573億8,100万円と、前年同期比5.3パーセントの減収となりました。

次は、利益についてご説明いたします。売上総利益率は、コストダウンは進んだものの、減収および在庫減の影響が大きく、37.5パーセントと2.3ポイント下落し、売上総利益は214億9,500万円と、前年同期比10.9パーセントの減益となりました。

物流費をはじめ販売費・一般管理費は減少させたものの、売上総利益の減少が大きく、営業利益は45億8,300万円と、前年同期比24.6パーセントの減益。経常利益は45億3,100万円と、同じく26.4パーセントの減益となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前期に中国子会社で固定資産売却益を5億6,000万円計上したことによる反動減もあり、32億8,700万円と、同じく32.2パーセントの減益となりました。

2021/3期第2四半期 国別業績

次に、6ページをご覧ください。国内事業は営業利益ベースで35億900万円と、前年同期比14億3,000万円、29パーセントの減益となりました。要因については、後ほどご説明いたします。

次に、海外事業を行う米国と中国の子会社について、当社グループの海外子会社はいずれも12月決算であり、各社の1月から6月までの業績が連結決算に反映されています。

米国につきましては、連結子会社であるNichiha USAが事業主体となっており、現地工場にて生産した窯業系外装材を主に住宅市場向けに販売するほか、日本や中国で生産した窯業系外装材の販売も行っています。新型コロナウイルス感染症の影響による売上の落ち込みにより、営業利益は8億100万円と、前年同期比1億4,100万円、15パーセントの減益となりました。

また、中国子会社2社が行っている中国事業につきましては、浙江省にある2工場が窯業系外装材および金具を製造加工しており、その大半をニチハおよび米国子会社に供給するほか、一部は中国国内でも販売しています。この中国子会社2社につきましては、日本向け部材販売減により営業利益は1億1,400万円と、前年同期比3,700万円、24.6パーセントの減益となりました。

2021/3期第2四半期 国内事業営業利益の前年同期比増減要因

7ページをご覧ください。国内事業の営業利益につきまして、前年同期対比での増減要因をご説明いたします。

まず、減収・在庫減等によるマイナスは28億7,000万円でした。次に、コスト面につきましては、資材・エネルギーはコストダウンが進み、プラス4億3,000万円。物流費は、在庫を減少させたことによる横持ち費用の減少などにより、プラス4,000万円。

固定費は、減産および在庫減に伴う工場経費・作業量の減少、新型コロナウイルス感染症の影響などにより出張販促イベントが減少、大幅に削減が進み、プラス9億7,000万円となりました。

以上の結果、減収・在庫減の影響を一部コストダウンで吸収したものの、国内事業全体では14億3,000万円の減益となりました。以上が、2021年3月期第2四半期の実績でございます。

2021/3期 連結業績予想

次に、2021年3月期の業績予想についてご説明いたします。9ページをご覧ください。通期の連結業績予想は、冒頭のサマリーで申し上げたとおり、本年5月8日の公表値を修正しています。

まず、市場前提の見直しについてご説明いたします。期初におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、市況がリーマンショック時と同程度悪化することを織り込み、業界全体の出荷数量であるNYG販売数量については、年間15パーセントの減少を想定していましたが、上期は前年対比11.7パーセントの減少でした。

下期については、足元の住宅着工の動きから前年比13.5パーセント減と想定して、通期では12.7パーセントの減少を見込んでいます。これら市場前提の見直しに加え、当社シェアも期初想定以上のペースで上昇していることから、通期シェアを54パーセントから54.7パーセントに見直しました。

また、米国市場についても、期初では前年対比18パーセントの減収を見込みましたが、上期は想定より落ち込みが小さく、足元ではすでに住宅市場が回復に転じていることから、通期では4パーセントの減少と見込んでいます。

これらにより、通期予想につきましては、売上高は1,160億円と、期初公表数値から40億円の上方修正、営業利益は95億円と、期初公表数値から15億円の上方修正としています。

2021/3期 通期国別業績予想

次に、10ページをご覧ください。ただ今お伝えした通期業績予想について、国別に前期対比の増減をご説明いたします。

国内事業の営業利益につきましては、シェアアップやコストダウンは順調に進んでいるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による市況悪化要因が大きく、70億円と、前期比33億4,400万円の減益を予想いたしています。

海外事業のうち米国子会社につきましては、米国住宅市場の回復により、下期はほぼ前期並みの利益を確保できる見込みながら、通期では上期の減益影響が残り、営業利益は21億円と、前期比1億6,800万円の減益を予想しています。

配当状況

次に、「企業価値向上に向けて」に関してご説明申し上げます。12ページをご覧ください。当社では、自己資本比率が68.3パーセントという強固な財務体質のもと、今期より配当性向を見直し、従来の20パーセント以上を30パーセント以上に引き上げています。

2021年3月期の配当予想につきましては、通期の業績予想の上方修正に伴い、配当性向を30パーセントとし、通期50円から55円に修正いたします。これにより、1株当あたり中間配当金・期末配当金をそれぞれ2円50銭増額して、27円50銭に修正しています。

設備投資・減価償却費

13ページをご覧ください。当上期の設備投資は80億1,000万円、減価償却費は22億7,000万円となりました。なお、設備投資のうち56億6,000万円は、現在建設中のアメリカの新工場に係る投資であり、償却が始まるのは設備稼働後となります。通期の設備投資は128億8,000万円、減価償却費は47個8,000万円を予定しています。

当社グループの中期経営戦略

次に、14ページをご覧ください。中期経営計画において、当社はROEの目標を12パーセント以上に掲げています。2021年3月期の予想ベースでは、ROEは6.9パーセントを見込んでいます。

ニチハ重点施策

15ページをご覧ください。当社は、少子化による中長期的な人口減少に伴う戸建住宅市場の縮小という問題を克服すべく、これまで一貫してシェアアップ・コストダウン・ニューマーケットという重点施策に取り組んでまいりました。

シェアアップ

では、項目別に具体的な取り組み内容を説明いたします。まず、シェアアップでございます。16ページをご覧ください。

当社は基本戦略として、耐候性に優れた「Fu-ge」、塗膜30年保証に対応した新商品等、商品力主導のシェアアップに取り組んでまいりました。

また、本年1月には、高級品タイプの軽量化製品を投入いたしました。強度や防・耐火などの基本性能を落とすことなく軽量化を実現したもので、工事施工者からは高い評価をいただいています。同業他社の中では製品価格を値上げする動きもございましたが、当社ではコストダウン努力を続けることにより、価格を据え置いてまいりました。

それらの結果、第1四半期は53.2パーセント、前年同期比4.1ポイントアップ、第2四半期は54.5パーセント、同じく4ポイントアップと、着実にシェアアップを果たしています。期初には通期の目標シェアを54パーセントとしていましたが、想定以上にシェアアップが進んでおり、下期は55.5パーセントと、通期で54.7パーセントのシェアを見込んでいます。

コストダウン

次に、コストダウンでございます。17ページをご覧ください。当上期につきましては、需要が急減する中、生産効率の向上とコストダウンに重点を置いた事業運営に注力いたしました。

具体的には、生産調整による工場固定費の削減、在庫減に伴う横持ち運賃および作業量の圧縮、出張減少や販促イベント中止による販売固定費の削減など、上期は期初想定以上のコストダウンが実現できました。

下期についても、さらなる倉庫料の圧縮、AI導入による検査工程の省力化など、引き続きコストダウンに取り組んでまいります。

ニューマーケット・米国①

次に、ニューマーケットでございます。18ページをご覧ください。当社では、これまでアメリカにおいて市場開拓を進め、米国事業は売上・利益の両面で当社業績の牽引役に成長しました。

先ほどお伝えしたように、新型コロナウイルス感染症の影響により、当期は一時的に減収を見込みますが、中長期的には現在建設中の新工場を武器として、さらなる成長を目指してまいります。

ニューマーケット・米国②

19ページをご覧ください。現在進行中の、高付加価値品を生産する新工場建設についてご説明いたします。

本工場は、総額約160億円を投じて、日本で生産しているものと同等の高付加価値品を生産できる工場です。この工場建設により、成長マーケットに対応した生産能力を確保するとともに、現地顧客ニーズに寄り添った製品のタイムリーな開発による市場開発を進めてまいります。

当初は、2020年度下期の稼働開始に向けて工事を進めていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本の設備メーカースタッフの渡米が困難となったため、機械据付工事に遅れが発生しています。このため、完成時期は当初2020年10月から2021年3月頃を予定していましたが、現時点では2021年10月を目標に進めています。

ニューマーケット・国内非住宅 <非住宅向けの工法>

20ページをご覧ください。日本においては中高層向けなど、非住宅市場の開拓を進めてまいります。従来、窯業系サイディングを使用した施工は低層物件に限られていましたが、当社では専用の金具を用いた新たな工法の開発により、45メートルまでの施工を可能といたしました。

さらに前期には、耐火構造用新工法として「プラスターモエン」を開発しました。これは、当社商品と強化石膏ボードを組み合わせることにより、1時間および2時間の耐火構造に対応するものであります。

ニューマーケット・国内非住宅 <中高層向けの新商品>

21ページをご覧ください。本年8月に、中高層向けに適したタイル柄の新商品「サンドグリッド」を発売いたしました。「サンドグリッド」は、継ぎ目が目立たないシーリング不要の「Fu-ge」をベースに、高級感を生み出す深エンボスを施した商品でございます。また、お客さまのご要望に沿ったカラーデザインのオーダー対応も可能でございます。

当社サイディングの持つ意匠性に優れた豊富なデザインのラインナップ、優れた耐候性と耐火性能に加え、工期が短いという特徴をアピールすべく、今期より営業体制を拡充した上で、ゼネコンや設計事務所といった非住宅向けの新たなルート開拓に注力しており、多くの先で高い評価と関心いただいています。

非住宅事業を当社収益の新たな柱に育てるべく、今後も製品工法の開発、新たなルートへのスペック活動に注力してまいります。

環境への取り組み

22ページをご覧ください。当社の商品は、デザイン性や性能だけではなく、環境への貢献という点においても特徴がございます。

第1に、当社は本来であれば廃材となる国産の木材チップを原材料に使用しており、それは、無駄のない森林資源の活用につながります。また、森林の木を計画的に間伐すると森が育つため、日本の森を守ることにもなります。

第2に、木材が吸収したCO2を長期に固定化するオフセットサイディングであります。世界的にCO2の削減が注目されている中、原材料の木材チップに含まれるCO2を固定化するため、当社の外壁材を貼ることで地球環境に貢献できます。

最後に、産業廃棄物となる端材を回収し、再利用する仕組みです。具体的には、広域認定制度を活用した端材回収システムの普及に努め、現在では自社リサイクルプラントでの再生処理に加え、全国11ヶ所のセメント工場との連携により、リサイクル能力を大幅に強化しています。

これら環境への取り組みについても引き続き注力するとともに、投資家のみなさまによりご理解いただけるよう、積極的に発信する努力してまいります。

私からのご説明は以上になります。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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