ニューヨーカーが今いちばん読んでいるビジネス書は?(2020年11月調べ)

米書店バーンズ&ノーブルのビジネス書売れ筋トップ10

この記事では、某商社ニューヨークオフィスに勤務するビジネス書大好き人間が、日々通う書店のビジネス書コーナーで感じたことをお話ししていきます。

12月になり、2020年も終わりを告げようとしています。今年は、新型コロナウイルスの影響を受けて、私たちの生活が大きく変化した一年だったと思います。そんな年であっても、年末にはクリスマスが待っています。もともとニューヨーカーはクリスマスを家族と家で楽しむことが一般的ですので、クリスマスだけは例年通りの時間が流れるのではないでしょうか。

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それでは、先月のランキングを見ていきましょう。

バーンズ&ノーブル(BARNES & NOBLE)の11月のビジネス書売れ筋ランキング

※ 順位/タイトル/邦題(翻訳書がないものは編集部で独自に訳した仮題)/著者

1.Hear That Lonesome Whistle Blow: The Epic Story of the Transcontinental Railroads/(邦題)聞け、あの淋しい汽笛の音を:大陸横断鉄道物語(草思社)/著:ディー・ブラウン

2.The Radium Girls: The Dark Story of America's Shining Women/(仮題)ラジウムガールズ:アメリカの輝く女性たちの闇のストーリー/著:ケイト・ムーア

3.Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money That the Poor and Middle Class Do Not!/(邦題)金持ち父さん貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学(筑摩書房)/著:ロバート・キヨサキ

4.Calm before the Storm/(仮題)嵐の前の静けさ/著:デイブ・ヘイズ

5.Too Much and Never Enough: How My Family Created the World's Most Dangerous Man/(邦題)世界で最も危険な男:「トランプ家の暗部」を姪が告発(小学館)/著:メアリー・トランプ

6.The 48 Laws of Power/(邦題)権力に翻弄されないための48の法則 上・下(パンローリング)/著:ロバート・グリーン

7.Hillbilly Elegy: A Memoir of a Family and Culture in Crisis/(邦訳)ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~(光文社)/著:J・D・ヴァンス

8.How to Win Friends and Influence People/(邦題)人を動かす(創元社)/著:デール・カーネギー

9.Think and Grow Rich/(邦題)思考は現実化する(きこ書房)/著:ナポレオレン・ヒル

10.Think and Grow Rich: The Landmark Bestseller Now Revised and Updated for the 21st Century/(仮題)思考は現実化する:21世紀新版/著:ナポレオン・ヒル

北米の鉄道敷設への挑戦を描いた古典が1位に

まずは、1位にランクインした『Hear That lonesome Whistle Blow』です。本書はアメリカの鉄道がどのようにして作り上げられたのかを丁寧に紐解いていきます。広大な北米大陸に鉄道を敷くのは簡単なことではなく、その建設にはさまざまな工夫やチャレンジがありました。しかし、その裏側には、ネイティブアメリカンへの迫害や労働者からの搾取、生態系を破壊したことなど、暗い一面もあります。

日本でも、40年前に邦訳版『聞け、あの淋しい汽笛の音を 大陸横断鉄道物語』として出版された本書は、こうした鉄道建設の物語を読み解いていくことで、現代においても忘れてはいけない数多くの教訓を学べるベストセラーです。

「被曝した女工たちの戦い」と「白人労働者階級の貧困」に関する2冊

そして、2位にランクインしたのは『The Radium Girls』です。1920年ごろ、軍用の時計などにラジウム塗料を塗る仕事があり、工員として労働者階級の女性を募ったそうです。当時ラジウムは発見されたばかりの物質で健康にいいと謳われており、この仕事は高給だったのもあって憧れの存在でしたが、次第にそこで働く女工たちの体に異変が起きます。被曝してしまったのです。しかし、工場や企業はその事実を認めず、女工たちの戦いが始まります。逆境に立ち向かい、企業と戦った女性たちから多くのことが学べる一冊です。

最後に紹介するのは7位の『Hillbilly Elegy』です。本書で描かれるのは、著者であるJ・D・ヴァンスとその家族についてです。貧困にあえぐヴァンスの家族たちのエピソードの一つひとつが、いまのアメリカの問題を象徴しています。本書は邦訳も刊行されていますが、詳細な描写に加えてユーモアも交えながら、アメリカの白人労働者階級の抱える問題を分析しています。ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルでもオススメされており、「アメリカの現在」や「貧困」に興味のある人は必読です。

まとめにかえて

今月は、大統領選を終えたことも関係しているのでしょうか、アメリカを支える労働者に関する本が多かったように思います。来月はどんな本がランクインするのでしょうか。

それでは次回のランキングもお楽しみに!

クロスメディア・パブリッシング

参考記事

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執筆者
クロスメディア・パブリッシング

2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。