iPhone7 Plusではなく、auショップの営業にサプライズ
注文していたiPhone7 Plus(ブラック、128GB)がついに入荷したとの連絡を受けて、近所のauショップに機種変更の手続きに行きました。
iPhone7 Plusについては、現時点ではSuica(スイカ)との連携も始まっていないため、「カメラが良くなった」「黒が気にいった」程度の感想で、大きなサプライズはありません。
筆者が驚いたのは、auショップにおける「非通信分野」に対する営業の本気度です。実際、筆者も「auでんき」を申し込みました。
水、電力、保険、銀行まで、顧客の生活接点を囲い込む提案
筆者は2年毎にauでiPhoneの新機種に切り替えるサイクルなのですが、2年前に窓口で受けた営業は、①自宅のネットを「auひかり」に変えませんか?、②タブレット使いませんか?、③auウォレットどうですか?という程度であったと記憶しています。
一方、今回は前述の3つに加えて、顧客の生活インフラの多くを囲い込む提案がありました。機種交換の予約をした時間にauショップに行くと、最初にアンケートを渡されます。アンケートの回答内容に従って、機種変更手続きの際にウォーターサーバーや電力をau経由で申し込むと、様々な割引が受けられるという選択肢が示されるのです。KDDI(9433)が「ライフデザイン戦略」と呼ぶ取り組みがauショップに浸透している印象です。
auショップで行われる提案の中でも、「auでんき」は比較的ユーザーの支持を獲得している印象を受けました。auスマホなどと「auでんき」をセットで申し込むと、毎月の電気料金の一定割合(金額に応じて1~5%、当初3カ月は最大10%)がキャッシュバックされる仕組みで、筆者が窓口に滞在した1時間ほどの間に少なくとも4人(筆者も含む)が申し込みを行っていました。
筆者が直接目にしたサンプル数の少なさは否めませんが、窓口で接客を受けていた人の半数以上が申し込みをしていたことになります。スマホの機種変更という面倒な作業の中でキャッシュバックを提案されると、人間グラッときて「まあ、ついでだから」と申し込んでしまうものですね。キャッシュバックされる先はもちろんauウォレットです。
KDDIの生活接点囲い込みは資産運用をもっと身近にするきっかけになるか?
9月24日、日経電子版に「KDDI、非通信分野の営業益9割増 18年度1000億円超(有料会員限定)」という記事が掲載されました。
髙橋誠副社長への取材に基づいた記事と見られ、国内携帯電話事業の成長が鈍化する中で、2018年度を目途に、金融や物販などの「非通信」事業の営業利益を2014年度比9割増の1000億円超に引き上げる目標を掲げたというものです。
KDDIは既に、三菱東京UFJ銀行と共同出資の形で、じぶん銀行を設立しています。また、生命保険の分野ではライフネット生命(7157)に出資もしています。日経の記事では「証券や株取引の分野への関心」についても言及されており、証券売買のアプリがauのスマホにプリインストールされるのも遠い未来ではないように思います。
通信キャリアとネット金融がグループを形成し、新たな軸での競争が展開される未来は、資産運用をもっと身近にするのかもしれません。
LIMO編集部