この記事の読みどころ
- ドイツ経済に英国EU離脱(ブレグジット)の影響が出始めたようです。
- 米消費者信頼感指数は、依然として高水準を維持しています。
- 日本の消費者物価指数は、引き続きマイナス水準で推移する見通しです。
今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をピックアップしました。ぜひ、チェックしましょう!
ブレグジットの影響が出始めたドイツ経済
9月26日(月)17:00に、独9月IFO企業景況感指数が発表されます。
IFO企業景況感指数は、IFO経済研究所が発表し、ユーロ圏全体のGDPの約20%を占めるドイツにおける約6カ月先の景気見通しを示したものです。
前回、8月の同指数は106.2と、前月の108.3から2.1ポイント低下しました。同指数が2ポイント以上下落したのは、2012年5月の欧州債務危機以来、約4年3カ月ぶりとなりました。これについて、マーケット参加者は6月の英国民投票でブレグジットが決定した影響が徐々に出始めたと捉えています。
筆者がドイツの経済指標を見るのは、ユーロ圏の経済状況を把握するためですが、ドイツの輸出先第3位の中国の景況感を掴む目的もあります。中国向けの輸送用機器(自動車・同部品関連)や産業用機器等の製造業の不振は、ドイツの国内経済にダイレクトに影響を与えるからです。
なお、今回、9月の同指数の市場予想は106.3と、前月と同水準の数値となっています。
依然として高水準を維持する米消費者信頼感指数
9月27日(火)23:00には、米9月消費者信頼感指数(コンファレンスボード)が発表されます。
消費者信頼感指数は、全米産業審議会(コンファレンスボード)が発表し、米GDPの約70%を占める個人消費との相関性が高い経済指標です。米FRBグリーンスパン元議長が注目していた経済指標と言われており、マーケット参加者からも大変注目されています。
前回、8月の数値は101.1と昨年9月以来の高水準となりました。9月の市場予想も、98.7と依然として高い水準の予想となっています。
引き続きマイナス水準で推移する見通しの日本の消費者物価指数
9月30日(金)8:30には、8月の全国消費者物価指数(以下、CPI・生鮮食品除く)(前年同月比)が発表されます。
CPIは、消費者が購入するモノやサービスを把握するための経済指標で、国内の経済政策を決定する上で重要な経済指標です。このCPIをチェックする際は、天候等に左右されやすい生鮮食品の価格を除いた「コア指数」を見ていきましょう。
今回、8月のCPIの市場予想は-0.4%(前年同月比)と、引き続きマイナス水準での予想となっています。
【参考情報】各経済指標の元データ
独IFO景況感指数はIFO経済研究所のウェブサイト(英語版)、米消費者信頼感指数は、全米産業審議会のウェブサイト、全国消費者物価指数(CPI)は総務省統計局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。