コロナ収束と同様、鳥貴族の見通しも霧の中?
株価は2017年12月にピークの3900円台を記録して以降、減益によって下落が続き、19年3月には1600円台となりました。
その後は不採算店の撤退が評価され、今年2月には2600円台まで回復しました。しかしコロナの影響で4月から11月はおおむね1400円前後を上下しています。
2021年7月期第1四半期の決算発表で回復の兆しがあったことから、12月上旬はやや上昇しましたが、それでも1500円程度であり、通期の業績予想が未定となっていることが重荷となっているようです。
鳥貴族「月次動向」の既存店売上高を見ると、緊急事態宣言による臨時休業で、4月は前年同月比3.9%、5月は同12.1%という厳しい結果に陥りました(2020年7月期)。その後、今期9月には77.2%、10月が93.1%、11月は81.3%と徐々に客足は戻っているようで、テイクアウトの導入や感染対策のPRによって集客を図っています。
しかし12月には全国でコロナ感染者数が過去最多を日々更新するような状況となり、自治体の要請で営業の時短対象となる店舗が急速に増えています。業績は再び悪化に向かうかもしれません。
まとめ
鳥貴族は不採算店の撤退によって2020年7月期は増益を見込んでいました。しかし第3四半期からは新型コロナの影響で負債が膨張し、自己資本比率が低下しました。業績の回復とともに債務返済も進むと思われますが、業態の特性上、新型コロナに業績が左右されることは避けられません。今しばらく、気の抜けない舵取りが続くことになるでしょう。
【参考資料】
「TDB景気動向調査(全国):2020年11月調査」帝国データバンク
株式会社鳥貴族 2021年7月期第1四半期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社鳥貴族 2020年7月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社鳥貴族 2019年7月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社鳥貴族 2019年7月期 決算説明会プレゼンテーション
株式会社鳥貴族 2018年7月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社鳥貴族 中期経営計画(2020年7月期〜2024年7月期)
株式会社鳥貴族 コーポレートサイト
「新型コロナウイルス 経済対策・生活情報」時事ドットコム
山口 伸