日経平均は27,000円を前に一進一退

2020年12月11日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、終値は前日より103円72銭安の26,652円52銭となりました。

英国で8日、米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったことを好感して、国内外の株式が買われる展開となりました。しかし、27,000円を前に利益確定売りなども出て、上値が重く、小幅に一進一退する動きとなりました。

国内ではソフトバンクグループ(9984)がMBO(経営陣による自社株買い)を行うという思惑が浮上したことから株価が乱高下し、日経平均に影響を与えました。また、トヨタ自動車(7203)が全固体電池の搭載車を2020年代前半に販売する方針と伝わり、脱炭素に関する同社への期待から買いが続きました。

今週の動きはどうなるでしょうか。11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比47ドル11セント高の30,046ドル37セントとなりました。

米株も3万ドルをはさんで一進一退の動きとなっています。米国でも間もなく新型コロナのワクチンが承認される見通しで投資家心理は改善されそうです。

その一方で、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が進展していません。このままでは、支援策の実施が年を越すとも予想されていることから、足元の経済悪化が懸念されています。

15~16日には、米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれますが、金融緩和の継続を示す見通しです。債券の買い入れなど量的緩和がさらに進めば、ドル安になることも想定されます。