日銀の金融政策決定会合ではマイナス金利の深掘りが見送られる
2016年9月23日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より53円60銭安の16,6754円02銭となりました。週末こそ若干の反落となりましたが。今週は大幅な反発となりました。
21日の13時過ぎに日銀が金融政策決定会合の結果を発表しました。当初予想されていたマイナス金利の深掘りが見送られたことで、金融機関の業績悪化懸念が後退し、銀行などの株が買われました。また、外国為替市場で、円相場は一時1ドル=102円台後半に下落し、自動車など輸出関連株にも買いが広がりました。21日の日経平均株価は、前日比315円高と全面高の展開となりました。
一方、日本時間22日未明には、米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見送ることを決めました。声明では利上げの条件が整ってきたと指摘し、12月の利上げ行う可能性も示唆しましたが、利上げペースが緩やかになり、世界的な低金利が続くとの見方から米株式が買われ、ダウ工業株30種平均は98ドルも上昇しました。
東京株式市場は22日が休場で、23日の動きが注目されました。円相場が1ドル=100円台後半に上昇したことから自動車関連株などに売りが出たものの、前日、米国株が上昇したこともあって、全体ではわずかな下落にとどまりました。
日銀のETF購入は日経平均型中心からTOPIX型中心へ
今後の展開はどうなるでしょうか。まず、日銀の動きですが、21日に、上場投資信託(ERF)の買い入れ方法を10月から変更すると発表しまた。日銀は従来、ETF買い入れ額の約半分を占める割合で、日経平均に連動するETFを買い入れていました。今後は、TOPIX型ETFの買い入れ比率を従来の4割強から7割程度に引き上ことを明らかにしました。
今回の見直しで、銀行株などTOPIXのウエートが高い銘柄は好影響となりそうです。逆に、日経平均株価のウエートが高い銘柄には注意が必要です。
また、引き続き、為替相場の動きにも警戒したいところです。
日経平均のチャートは75日移動平均線に支えられ、力強さを感じる
今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。先週はシルバーウィークで立ち会いが3日しかありませんでした。
週初は、日米金融政策会合を前に様子見ムードとなり、ローソク足の長さも短くなりました。ただし、下値は75日移動平均線で支えられ、堅い印象がありました。
21日は大きな陽線となり、5日移動平均だけでなく25日移動平均線も突破しました。23日はこの調整が入ることも予想されましたが、実際にはほぼ十字線の若干の陰線となりました。
テクニカル的には9月5日の高値(17,156円)を超えると18,000円台も視野に入るが、日銀のETF買い入れ比率変更の影響を注視
来週の動きはどうなるでしょうか。75日だけでなく25日移動平均線にもサポートされた形になっています。また、直近の下値のめどとなっていた8月26日の安値(16,320円)、9月15日の安値(16,359円)を一時的にも下回ることがなかったことから、しっかりと支えられている印象があります。
6月24日以来の上昇トレンドラインも下回っていません。さらなる上昇を予感させます。目先の節目である17,000円に向けて、16,900円台ももみ合う場所ではありますが、ここを抜け、さらに9月5日の高値(17,156円)を超えてくるようであれば、さらに一段上もうかがえるでしょう。視界が広く、18,000円までするすると上がる可能性もあります。
逆に、9月5日の高値を超えられないと、しばらくもみ合うことも考えられます。その場合の上値は17,000円前後、下値は75日移動平均線の16,300円前後になるでしょうか。前述の日銀のETF買い入れ比率の変更の影響も含め、注視したいところです。
下原 一晃