キュレーターから読者に伝えたいポイント
来週は、9月19日は敬老の日、22日は秋分の日で、株式市場が開くのは3日間だけとなります。しかし、日米で重要な金融政策の発表が予定されているため、気の抜けない1週間となりそうです。重要イベント後の相場に対する向き合い方を、以下の3つの記事から考えたいと思います。
いよいよ日米の金融政策の発表を迎えるにあたっての心構え
来週は、金融政策に関する重大な発表が待ち構えています。まず、9月21日(水)昼頃に日銀金融政策決定会合の結果が発表されます。次いで、日本時間では翌日の22日午前3時(米国は21日)に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表と、その後のイエレンFRB議長による記者会見が予定されています。
ちなみに、22日(木)は日本では秋分の日(祝日)であるため、FOMCの結果は22日の海外市場で先に反映され、東京市場がそれを受けて動くのは、23日(金)となります。
日銀は、様々なマスメディアを通してエクスペクテーションコントロール(期待値管理)を行っており、マイナス金利が行われる、あるいは、引き続き検討すると発表することがコンセンサスになりつつあります。
ただし、今回は、これまでの日銀金融政策決定会合発表前の動きとは異なり、期待感よりも警戒感が醸成されているため、思惑通りの結果となっても、「うわさで買って、ニュースで売る」とは反対に、警戒感が後退して株は買われる、といった動きが見られる可能性もあるかもしれません。
一方、米国においてもFOMCは利上を見送ることがコンセンサスとなりつつあります。とはいえ、この記事にあるように、FOMCの声明文やイエレン議長の記者会見で先行き利上げに対する意欲が示されれば、市場にとってサプライズとはならない可能性が高いと考えられます。
いずれにせよ、今後の相場を考える上で非常に重要なイベントであるため、気を引き締めて注視していきましょう。
出所:9月21日の重大イベント控え、さまざまな思惑広がる(楽天証券)
金融政策だけではなく、財政政策の変化にも注目したい
目先は金融政策への注目度がいっそう高まっていますが、景気刺激策に関しては、金融政策だけではなく、財政政策も忘れてはいけません。また、その際には「金融か、財政政策か」という二者択一でなく、双方を効果的に活用できるかが重要なポイントとなります。
実際、この記事にあるように、米国の政府高官も金融と財政、両方の手段を活用するのが重要と述べることが多く見られるようになっています。特に、これまで財政出動に対して消極的な姿勢を取り続けてきたドイツに変化が見られるかを注視したいと思います。
出所:米国債利回りを動かす要因は何か-日米欧の金融政策の視点から(投信1)
米金利が上昇すると日本株はどうなるのか
米国では9月利上げの可能性は低下しているものの、12月に実施される可能性は依然としてかなりの確度で残っています。では、米国で利上げが行われた場合、日本株はどうなるのでしょうか。
この記事では、前回アメリカが利上げを行った2004年6月~2006年6月(この時、FF金利は2年間で1%から5.25%まで5%以上上昇)の日米株価の推移が示されています。すると、興味深いことに、金利上昇を嫌気して米国株の上値が重かった一方で、日経平均は大きく上昇したことが見て取れます。
もちろん、今回の利上げ局面が、前回ほどの大幅かつ長期のものとなるかは全く不透明であるため、必ずしも「歴史は繰り返す」ということにはなるとは限りません。とはいえ、近く現実化する可能性が高い利上げに備えて、改めて過去の利上げ局面での日米株価の動きを、今一度おさらいされることをお勧めいたします。
出所:米金利上昇が日本株および世界の株式市場に与える影響(楽天証券)
LIMO編集部