60代は定年を迎えるタイミングであり、老後を本格的に意識する最初の年代ではないでしょうか。

生命保険文化センターの「令和元年度生活保障に関する調査」では老後の生活資金をまかなう手段は何か(複数回答)と調査した結果、「公的年金」が86.7%、次いで「預貯金」69.6%となっていることが分かりました。預貯金は老後資金の大切な原資となっていることが分かります。

今回は60代の貯蓄額について確認してみましょう。

定年60代みんな貯金いくら?

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、「金融保有世帯」の60代世帯の貯蓄額は下記のようになっています。

  • 平均貯蓄額:2203万円
  • 中央値:1200万円

平均は一部の貯蓄額が高い方に影響されるため少し歪んでしまうことがある一方、中央値は貯蓄額が少ない順に並べて一番真ん中にくる数値であるため、より実際の生活レベルに近い結果と言えます。

中央値で見ても1000万円を超えています。

この結果は金融資産保有世帯に限定した結果となっています。

一方で、「金融資産を保有していない世帯」も含めるとどうなるかみていきましょう。

  • 平均貯蓄額:1635万円
  • 中央値:650万円

金融資産保有世帯にくらべて平均値も中央値もざっくり半分になっています。

こうしてみると、60代で資産格差が大きくなっていると言えるのではないでしょうか。