注意しておきたいこと

新制度によって、進路選択の幅がだいぶ広がるご家庭も多いはず。制度を利用するにあたって注意しておきたいことをいくつか挙げておきましょう。

「ゼロ円」で入学できるわけではない

まず、高等学校等就学支援金制度は申請が必要です。新入生の場合、入学後に学校側から案内があります。

支援金は国から学校へ支払われ、授業料に充当されます。申請から給付額が決定され実際に支払われるまでに時間がかかります。よって、私立高校入学時に、いったん保護者が学校に授業料を支払い、学校側が国から支援金を受け取った後で、その差額が返金される、というケースがほとんどです。

「実質無償化」という言葉を真に受けて、お金の準備がないまま入学させることはNGです。

「授業料以外」は保護者負担

さて、学校生活では、授業料以外にお金が必要です。たとえば、入学金や教材費、部活動に必要な道具代、修学旅行費、通学定期代など、思いつくだけでもたくさんありますよね。そして、これらの費用は「授業料以外」の部分となりますので、この支援制度の対象範囲外となります。

また、こうした授業料以外の費用についても、公立より私立高校の方が多くかかる傾向がみられます。「実質無償化」という言葉につられて、お金の準備を何もせずに入学させるのはやめましょう。

さいごに

コロナ禍で不安な受験シーズンを迎える中学3年生。保護者の収入が激減してしまった、いうご家庭もあるでしょう。「高等学校等就学支援制度」を活用することで、進路の選択肢が少しでも広がるとよいですね。

また、今回ご紹介した国の「高等学校等就学支援金制度」のほかに、各都道府県独自の支援制度を活用できる場合もあります。支給の条件・対象年収・支給時期などの詳細は、各関係機関ホームページや学校などに確認してください。知らないと損をします。受験生向けの説明会などでも資料が配付されることが多いので、ぜひ逃さずチェックするようにしましょう。

【参考】
令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」 文部科学省
都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料」東京都教育委員会
2020年4月からの『私立高等学校の授業料の実質無償化』リーフレット」文部科学省
高等学校等就学支援金制度」文部科学省

 

LIMO編集部