この記事では、某商社ニューヨークオフィスに勤務するビジネス書大好き人間が、日々通う書店のビジネス書コーナーで感じたことをお話ししていきます。
10月といえばハロウィンですが、今年はやはり大規模イベントの開催は難しい模様です。全米でも最大規模と言われるNYのハロウィンイベント、「ヴィレッジ・ハロウィン・パレード」も今年は中止となってしまいました。寂しいですが、今年はそれぞれの家でハロウィンを楽しみたいですね。
それでは、先月のランキングを見ていきましょう。
バーンズ&ノーブル(BARNES & NOBLE)の9月のビジネス書売れ筋ランキング
※ 順位/タイトル/邦題(翻訳書がないものは編集部で独自に訳した仮題)/著者
1.Disloyal: A Memoir: The True Story of the Former Personal Attorney to President Donald J. Trump/(仮題)不誠実:回想録:ドナルド・J・トランプ大統領の元個人弁護士による真実のストーリー/著:マイケル・コーエン
2.Too Much and Never Enough: How My Family Created the World's Most Dangerous Man/(仮題)過剰なのに満たされない:わが一族はいかにして世界で最も危険な男を生み出したのか/著:メアリー・L・トランプ
3.Doesn't Hurt to Ask:Using the Power of Questions to Communicate, Connect, and Persuade/(仮題)質問しても害はない:質問力を使ったコミュニケーション、つながり、そして説得/著:トレイ・ガウディ
4.Hoax: Donald Trump, Fox News, and the Dangerous Distortion of Truth/(仮題)デマ:ドナルド・トランプ、FOXニュース、そして危険な真実の歪曲/著:ブライアン・ステルター
5.What Matters Most: The Get Your Shit Together Guide to Wills, Money, Insurance, and Life's "What-ifs"/(仮題)最も重要なこと:意思、お金、保険と人生の「もしも」などくだらないことをまとめたガイド/著::シャネル・レイノルズ
6.How to Lead: Wisdom from the World's Greatest CEOs, Founders, and Game Changers/(仮題)どう率いるか:世界最高のCEO、創業者、ゲームチェンジャーの知恵/著:デービット・ルーベンシュタイン
7.The 48 Laws of Power/(邦題)権力に翻弄されないための48の法則 上・下(パンローリング)/著:ロバート・グリーン
8.How I Built This: The Unexpected Paths to Success from the World's Most Inspiring Entrepreneurs/(仮題)私がどうやってこれをつくったのか:世界で最も刺激的な起業家が語る意外な成功への道/著:ガイ・ラズ
9.The Laws of Human Nature/(仮題)人間性の法則/著:ロバート・グリーン
10.The Sane Society/(仮題)健全な社会/著:エーリッヒ・フロム
リーダーシップの哲学を育てる
まずは、6位にランクインした『How to Lead』。ビル・ゲイツをはじめとした大企業のCEOや創業者、スポーツ選手など、さまざまな人物の人生とそのキャリアを紹介しているのがこの本です。
もちろん、ただ有名人やすごい人を紹介するだけの本ではありません。本書で紹介する人々に共通するのは、「優れたリーダーシップがあること」。過去の成功者たちの人生を追うことで、読者のリーダーシップの哲学を育みます。将来リーダーになりたい人、あるいはいまリーダーシップに悩んでいる人にオススメの一冊です。
「成功起業家の知見をつむいだ本」と「人間性の本質に迫る本」
そして、8位の『How I Built This』。筆者のガイ・ラズ氏はNYタイムズ紙で「歴史上最も人気のあるポッドキャスターの一人」と評されたことのある人気ジャーナリストです。本書では200人を超える大成功を収めた起業家への取材をもとに、成功する起業とその構築方法を語ります。起業家たちが成功するまでの道筋をともに辿ることで、ビジネスをどう作り上げるかを学ぶことができます。新たなビジネスを始めたいという人はぜひ読んでみてください。
最後に紹介するのは、9位に入った『The Laws of Human Nature』です。ベストセラー作家であるロバート・グリーンは、この本で「人間性」について語ります。ペリクレスやエリザベス女王など歴史上の人物を例に挙げながら人間の本質に近づいていきます。そうして、自分自身がどのような性質を兼ね備えていて、どのような人間であるかを問います。これを応用すると、周りの人間がどのような人なのかについても理解できるようになれるかもしれません。自分自身を正しく認識して制御し、他人と上手に関わる方法を説く一冊です。
まとめにかえて
今月も先月に引き続き、ランキング上位はトランプ大統領に関連する本が独占しましたが、一方でビジネスでの成功に関する本が多くベスト10入りしました。来月はどんな本がランクインするのでしょうか。
それでは次回のランキングもお楽しみに!
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