老後に必要なお金ってどれくらいになる?

公益財団法人 生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人の最低日常生活費は月額22万1,000円(平均値)のようです。年間265万2,000円が最低限必要ということになります。

ちなみにゆとりある老後生活に必要な生活費は月36万1,000円(平均値)と14.0万円の上乗せです。年間で考えると433万2,000円です。

インフレ率2.0%で推移すると、最低日常生活費(月額)・ゆとりある老後の日常生活費(月額)はどれくらい上がっていくのでしょうか。

最低日常生活費(月額)の推移(インフレ率2.0%で推移した場合)

0年:22万1,000円
5年:24万4,000円
10年:26万9,000円
15年:29万7,000円
20年:32万8,000円
25年:36万3,000円
30年:40万円

ゆとりある老後の日常生活費(月額)の推移(インフレ率2.0%で推移した場合)

0年:36万1,000円
5年:39万9,000円
10年:44万円
15年:48万6,000円
20年:53万6,000円
25年:59万2,000円
30年:65万4,000円

30年後、インフレ率2.0%で推移したら預貯金の実質的な価値は約半分になりますが、必要な生活費は上がっていきます。こちらもあくまでも推計です。

老後に備えて何をする?

預貯金は貯めるにしても簡単ですし、取り崩しもすぐにできて安心感があります。しかし「リスク分散」の考え方は何においても必要でしょう。預貯金だけではなく、「投資」に目を向けるのもその一つの対策です。iDeCoやNISAといった制度を活用して投資をしてみる、専門家に相談してみる。始め方は人それぞれですが、資産がすべて預貯金という方は様々な選択肢を検討してみると良いでしょう。

参考

「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」総務省統計局
(※1)『2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」』日本銀行
(※2)「8年目入りしたインフレ目標政策の課題と 今後の展望」大和総研 金融調査部 主任研究員 長内智(2020年1月22日)
「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」厚生労働省
(※3)「円預金金利」みずほ銀行
「令和元年度(2019年度)生活保障に関する調査」生命保険文化センター

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

尾藤 ちよ子