2020年10月12日に行われた、マニー株式会社2020年8月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:マニー株式会社 代表執行役社長 CEO兼COO 髙井壽秀 氏\nマニー株式会社 代表執行役専務 CTO企画本部長兼開発本部長 髙井壽秀 氏

当社グループの報告セグメント

髙井壽秀氏(以下、髙井):マニー株式会社の髙井です。本来であれば例年どおり、みなさまを会場にお迎えして決算説明会を開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、このような動画配信とさせていただきました。ご理解を賜りますようお願いします。

冒頭に、この度新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々及びご家族、関係者のみなさまに謹んでお悔やみをしますとともに、罹患された方々には心よりお見舞いします。また最前線で治療にあたられている医療従事者のみなさまをはじめ、感染拡大防止にご尽力されている方々、そしてライフラインを維持するために物流、配送サービスや公共交通機関に従事していただいている方々に深く感謝します。

それでは2020年8月期の業績の概要から始めします。みなさま私どもの製品についてお詳しいかと思うのですが、今回このような動画配信で個人の投資家のみなさまもご覧になる機会も多いかと思いまして、冒頭ではございますが当社グループの報告セグメント、製品のセグメントの復習をさせていただければと思います。当社の製品セグメントはサージカル、アイレス針、デンタルの3つです。サージカルについては手術用の機器ということですが、主として眼科ナイフやステイプラーが中心になっています。それからアイレス針は糸のついたあるいは滅菌されたものが最終製品ですが、私どもは主にOEM生産としてその針を提供しています。それがアイレスという製品セグメントです。

それからデンタルにおいて、歯科用根管治療機器、それから歯科用回転切削機器、それから歯科用修復材といったあたりは主として虫歯の治療に使われる機器です。以上の3製品のセグメントをご紹介し、概況に入りますが、この製品については補足資料の31ページに全体をご紹介していますので、もしお時間のある方はご覧いただければと思います。

2020年8月期 連結業績概要

それでは概況に入りたいと思います。2020年8月期の連結業績は、新型コロナウイルスの影響による医療機関等の閉鎖等により前期比で売上高は大幅に減少しました。売上高を見ていただくと2019年8月期が183億2,700万円、2020年8月期は152億円で前期比31億2,700万円、増減率はマイナスの17.1パーセントでした。

売上原価率は前期比で改善しました。一方で販管費率は売上高の大幅な減少により悪化しました。数字を見ていただくと売上原価は売上原価率が19年8月期36.6パーセントに対して、1.6ポイント改善し20年8月期は35.0パーセントになっています。一方で販管費は57億6,100万円が55億3,500万円ということで、概ね前期並みでしたが売上が大幅に落ち込んだことにより、販管費率は31.4パーセントから36.4パーセントへと悪化しています。結果売上原価、それから販管費を勘案しまして営業利益は58億6,500万円が43億4,000万円と15億2,400万円で26.0パーセントの減、営業利益率も32.0パーセントから28.6パーセントへと悪化する結果となりました。

純利益のところですが、2019年8月期に多額を計上した保有株式の売却益が減少したため、利益は減少しています。保有株式の売却益が27.5億円程度から6.5億円に減少している結果です。為替レートですが、円ドルについては111円12銭が2019年8月期の実績でしたが20年8月期は108円03銭、そしてユーロは私どもの構成からすると影響は大きいですが、126円76銭から120円23銭ということで概ね5パーセント円高に振れたということです。

2020年8月期 新型コロナウイルスの業績影響

新型コロナウイルスの業績に対する影響です。2020年2月より新型コロナウイルスによる業績影響が鮮明化しました。たまたま決算期が8月で3月から8月は下期ということで、ちょうどその2月の影響が出始めたころに1月、2月で下期の数字をさらに精度を上げるというような作業をしました。その直後、コロナウイルスが発生するということで、その精度を上げて見直した数字とそれからお客さま代理店等にヒアリングしたコロナの影響を重ね合わせ、当初は概ね30億円程度の売上に対する影響があるのではないかと思っていました。開けたところは第2四半期に3,000万円のマイナス、それから第3四半期で10億5,000万円、それから第4四半期で12億8,000万円のマイナスの影響がありまして、通期では23億6,000万円の影響ということでした。

2020年8月期 売上高の状況①

次に売上高の状況を製品セグメントごとに見ていきます。先ほどお伝えしたとおり、183億円の売上が152億円、31億2,700万円の減少で17.1パーセントの減少でしたが、その内訳は先ほどもお伝えしましたが、新型コロナウイルスの影響が23億6,000万円のマイナスです。

これを除いてサージカルが2億2,700万円のプラスと相変わらず私どもの業績を牽引している眼科ナイフが好調でした。それからアイレス針はトータルでマイナスの8億6,400万円、相変わらずスペインの大口顧客の在庫調整が長引いており、その影響により減少しています。

それからデンタルですが、主として国内の歯科用実体顕微鏡の撤退、概ね7億円の売上の減少がありまして、一方で中国向けが非常に好調でしたのでデンタルはマイナスの1億2,900万円のマイナスにとどまっています。

2020年8月期 売上高の状況②

次に売上高の地域別ですが、新型コロナウイルスの影響は相変わらず23億6,000万円のマイナスで、日本は先ほどお伝えした実体顕微鏡の撤退の7億円のマイナスの影響がありましたが、一方で眼科ナイフが好調でしたので5億300万円のマイナスとなっています。

それから欧州は、やはりアイレス針の大口顧客の在庫が欧州、スペインの顧客だったことが大きく影響したと、5億6,800万円のマイナスになっているということです。それから北米ですが、デンタルが増加してプラス1億9,100万円。それからアジアが、インド向けのアイレス針が在庫調整で減少したということもあり、コロナウイルスの影響の外側ではマイナスの1億1,500万円ということになっています。

2020年8月期 営業利益の状況

次に営業利益の状況です。前期58億6,500万円のものが43億4,000万円、15億2,400万円の減少、26パーセントの減少でした。増減要因については黄色はプラスの増益要因でして、グレーがマイナスの減益要因を記しています。営業利益に対する影響を色分けしています。

為替は若干変動しましたが、影響自体は1億3,200万円のマイナスでして、これを除くと粗利のところでマイナスの14億300万円、そして販管費のところでプラスの1,000万円でした。売上の増減による影響でマイナス16億2,000万円、それから原価率の変動で2億3,500万円のプラス、そしてドイツの子会社であるGDFの粗利の悪化分が1,800万円です。中央にある原価率の変動のところですが、主たる要因は歯科用実体顕微鏡の撤退で、こちらは粗利益率が若干低くなっていたために撤退したことによる改善と、生産工程の改善によるプラスが相まってプラスの2億3,500万円ということになっています。

販管費のほうですが、開発費の減少でプラスの1億2,100万円。それから販売費の減少でプラスの1億1,700万円、それから販管費の増加で3,800万円のマイナス。GDFの販管費の増加で1億8,900万円のマイナスとなり、販管費の影響はプラス1,000万円でした。

販管費のところですが、販売費、開発費ともに減少しています。これは業績連動報酬が減少したということに合わせて、開発のほうでは開発テーマの選択と集中を行いました。いわゆる筋肉質の経費構造にするということを前期行って減少しています。

一方、出張ができないという状況もあり、販売費では出張費の経費が減っていました。それからGDFの販管費の増加ですが、これはシュッツ・デンタルを切り離してそれ以降の体制強化で人員を増加させたりしている影響です。結果として58億6,500万円の営業利益が43億4,000万円となりました。

2020年8月期 B/Sの状況

次にバランスシートの状況です。まず資産ですが、トータルで398億円から392億円へ若干減少しています。棚卸資産が概ね7億円強増加したということは、売上が減ったにもかかわらずその次にまた売るものを作りためるというようなことで、棚卸資産が7億円増加しました。

一方で投資有価証券売却による固定資産の減少がありまして、143億円から131億円へと固定資産が減少した結果として398億円から392億円への減少でした。次に負債・純資産ですが、未払法人税等の減少による負債の減少44億円から27億円へ、そして利益剰余金の増加による純資産の増加353億円が365億円ということで、概ね10億円ぐらい増えています。この結果として負債・純資産の構成が変わっています。2020年8月期末の自己資本比率は93.1パーセントと従来より若干高めになっています。

2020年8月期 CFの状況

次にキャッシュフローの状況です。営業キャッシュフローは純利益が大幅に落ち込んだということもありますが、一方で先々期の好調の結果を反映して法人税等の支払額が増加いたしています。11億4,900万円増加したということで、営業キャッシュフローは53億円から19億円へと減少しています。投資キャッシュフローは投資有価証券売却による収入の減少、そして有形固定資産の取得の増加により、8億1,000万円が3,800万円のマイナスになっています。財務のキャッシュフローですが、マイナス17億円からマイナス21億円へとマイナス幅が広がっています。これは配当金の支払額の増加部分が概ね増えたものがマイナスになったということです。以上3つのキャッシュフローの結果から、いわゆる手元の現金および現金同等物の金額は161億円から169億円へと増加しています。

報告セグメントの変更

それでは次に21年8月期の見通しです。1点ご報告ですが、報告セグメントのいわゆる製品の付け替えが起こっていますので報告します。サージカルの手術用針付縫合糸、それからデンタルの歯科用針付縫合糸をアイレス針のほうへ移動させています。売上ベースでそれぞれ5億600万円、それから20年8月期には1億7,200万円あり、これをアイレス針のほうに移しています。今後戦略的な点も出ていくかと思いますので、このようなような付け替えを行っています。以降に売上あるいは営業利益をお伝えする時には、過年度の分を移動したものを調整しますので、そのベースで表現されているとご理解いただければよろしいかと思います。

2021年8月期 連結業績見通し概要

8月期の連結業績見通しですが、前期に引き続き新型コロナウイルスによる業績影響を想定しています。概ね16億4,000万円ほどの影響と見ていますが、これは後述します。売上高は152億円が175億4,200万円ということで、前期比23億4,200万円、増減率で15.4パーセントの増加です。

ちなみに、いわゆるコロナウイルスの影響を20年8月期、21年8月期を取り除き、増減率を見ると、9.2パーセントぐらいになると思いますので概ね実力的には10パーセント弱ぐらいの売上の増加ということが言えるかと思います。それから生産調整により売上原価率は若干悪化です。売上原価率は、35パーセントが36パーセントと1ポイント上昇しています。主としてアレイスでの生産調整が行われた結果、原価率が悪化しているということです。

それから販管費ですが、海外子会社の体制強化等は進んでいるものの開発テーマの選択と集中により販管費は前期並みということでして、金額的には55億3,500万円が55億9,000万円とプラス5,400万円で、ほぼ前年並みとなっています。

開発テーマの選択と集中は前期にも実施しましたが、筋肉体質の経費構造をを今期も進め、開発の金額自体は若干落ちますが、効率的に使っていきたいと考えています。結果として純利益のところは33億2,900万円が37億8,400万円ということで、概ね売上高の増加並の13.7パーセントの増加です。為替レートはドルが108円3銭を105円で見ています。ユーロは120円23銭を118円と見ています。

2021年8月期 新型コロナウイルスの業績影響①

新型コロナウイルスの業績影響ですが、トータルで16億4,000万円を第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期を模式図的に図式に落としています。前期と比べ徐々に減っていって第4四半期ではほとんどなくなってくる見込みです。

2021年8月期 新型コロナウイルスの業績影響②

次が前期、それから今期のコロナウイルスの業績影響ですが、前期は23億6,000万円の売上への影響、それから16億4,000万円の今期の売上への影響ですが、図式的に記しますとこのようなかたちで第4四半期にはほとんどなくなっていくというようなかたちの絵を描いています。

2021年8月期 売上高の見通し

売上高の見通しを製品セグメント別に見てみると、152億円が175億4,200万円、23億4,200万円と15.4パーセントの増加です。新型コロナウイルスの影響は23億円から16億4,000万円とプラスの影響で7億2,000万円です。サージカルは相変わらず海外での眼科ナイフの市場が拡大、特にアジア、中国、欧州での拡大を見ておりプラスの6億7,100万円です。

それからアイレス針も、これは私どもにとっては朗報ですが在庫調整の部分が徐々に整っており、解消されていき海外の大口顧客需要が回復すると見ていますので、追って少しずつ回復していくという見方をしています。アイレス針はプラスの4億2,100万円です。それからデンタルのところは相変わらず中国における根管治療の市場が拡大してプラスの5億3,300万円、結果として売上は175億4,200万円と見ています。

2021年8月期 営業利益の見通し

次に営業利益ですが、43億4,000万円が56億4,300万円と13億200万円、増減率でプラスの30パーセントを見ています。為替の影響がありますが、ほぼフラットに近いマイナスの6,400万円です。それから粗利のところで14億6,200万円のプラス、販管費の影響でマイナスの9,600万円となっています。売上の増減要因ですが、売上が増加することによって粗利ベースで15億2,900万円のプラス、それから原価変動のところではマイナス2億1,900万円、それからGDFの粗利の改善がプラスの1億5,300万円です。先ほどお伝えしましたが、原価率の変動はアイレスを中心とした生産調整による非効率化が生じてマイナスです。

GDFのほうは生産性の改善を見ています。それから販管費のほうですが、開発費自体は1億2,500万円の減、利益ベースではプラス1億2,500万円、2020年8月期と同様、開発テーマの選択と集中を行っていきます。

それから販売費ですが、海外の販売子会社の体制強化、中国、インド、ASEAN等で行い販売費が1億5,400万円増加するということです。利益ベースではマイナスの1億5,400万円、それから管理費の増加が2,100万円とGDFの販管費の増加が4,600万円ということで体制の強化を引き続き行います。

業績の推移

2020年8月期、それから21年8月期の売上と営業利益率の推移をご覧いただいていますが、先ほどお伝えしたとおり21年8月期については棒グラフのとおり、アイレス針が前期の50億円をボトムに53億円、デンタルが69億円、そしてサージカルが52億円と各セグメントとも増加しトータルで175億円を見ています。営業利益率も32.2パーセントと概ね19年8月期くらいまで戻ると見ています。

2018年8月期から2019年8月期に対して売上が落ちているのは、シュッツ・デンタルを売却し、売上で概ね27億7,000万円くらいありましたので、その影響で下がっています。それから2020年8月期のところは先ほどお伝えしたコロナウイルスの影響と、あとは実体顕微鏡撤退に伴う影響が7億円くらいでしたので、その合計で売上が減っていますが、これで概ね今までの私どもが抱えていた製品構成の調整すべき製品の調整を終えたと見ていただけるとありがたいと思います。

設備投資、研究開発費

次に設備投資、研究開発費の状況です。設備投資は21年8月期を見ていただくと、16億9,000万円から62億円へと跳ね上がっています。その横に理由を書いていますが、新しい本社、R&D用の土地取得に概ね28億円、それからGDFのドイツでの新工場の建設に関わるものが25億円、それらを差し引いたものが恒常的な設備投資と見ていただければと思います。ご案内のとおり土地のほうは償却が発生しないものが多いため、減価償却費は14億1,000万円とあまり増えていません。それから研究開発費ですが、実は2019年8月期から16億9,000万円、16億2,000万円、2021年8月期は14億7,000万円を見ています。

売上比率も、8.4パーセントと私どものようなビジネスモデルの会社であれば10パーセントくらいの開発比率はほしいと考えており、10パーセントに近づいてきたのですが、今回8.4パーセントまで落ちているというかたちです。そして2021年8月期は、間口を広げすぎた研究開発を少し絞り、実際に効率的な研究開発が行われるようにしていこうという動機の裏返しですので、基本的には10パーセントの研究開発費を目指して使っていくという方針を大きく変更したわけではありません。

株主還元

次に株主還元ですが、2020年8月期の期末配当は当初計画どおり1株当たり11円に決定します。したがって年間配当額は22円です。グラフを見ていただくと、濃い青が1株当たりの配当額で、2013年8月期から7期連続で増配です。2013年には同額の配当でしたので、厳密な意味では増配ではないということで7期ですが、従来のトレンドとしては限界なく増配に努めていくということです。

2021年8月期も年間配当では23円を予定しており、経済環境が不安定な状況であっても安定的でかつ積極的な株主還元を実施していきます。配当性向についてご覧いただきたいのは薄いブルーのほうが1株当たりの純利益です。純利益が増えていることによって配当性向も増えていますが、従来からお伝えしている40パーセントの配当性向、そして50パーセントを目指していくというところについては、純利益のほうが非常に安定的に推移するようになれば、そのあたりも実現あるいは維持していけると考えています。

新経営体制のご案内

それでは、アナウンスさせていただいた新経営体制のご案内をお伝えしたいと思います。取締役会は10年後のマニーを見据えた新体制をスタートさせるべく、代表執行役社長に齊藤を選任し11月25日に就任する運びとなっています。同時に副社長である髙橋に代表権をもってもらい、2人の代表執行役の体制となります。

そして私、髙井は社長を退任し執行役会長に就任して3名が取締役を兼任することになっています。ご案内のとおり私どもは指名委員会等設置会社ですので、取締役を兼務する執行役、法律の枠組みはまったく別物ですがこの3名が兼任するかたちです。

このアナウンスについて唐突の感をもたれる方も多いかと思いますが、実は取締役会としては4年ほど前から次のCEOをどうするのかという、いわゆるCEOサクセッションプランを回しており、それに伴った研鑽計画も4年間ずっと行ってきました。本人の努力もさることながら、周りでのサポート体制を整えつつ、取締役会サイドからすれば粛々とそのような次のCEOを準備してきたということです。

一方で私の個人的な感じですが、7年社長を務めてきましたが、もちろんマニーそのものの業績を維持し、そして拡大し成長していくということも非常に重要ですが、私が7年間腐心してきたのは、創業家のみなさまが第一線から退いていくにあたって、マニーが自律的に事業を行っていける体制を確立することが私の役どころと考え、次の社長をどうするかを念頭に置きながら務めてきたつもりです。従来私、マニーの10年のために必要なことということで4象限を使い、3つのことをお伝えしてきました。一番最初に、ほぼ100パーセント移管の終わったベトナムMHCの生産工程をさらに高度化して原価を低減していくこと。そして2番目は先進国を中心に新製品をたくさん出していく体制をつくる、開発体制を強化していくというのが2つ目、そして3つ目がアジアでのマーケティング、新興国なかんずくアジアでのマーケティング体制を強化するということの3つですが、私からすると1番目、3番目についてはある程度できてきたかと思っています。

2番目の新製品をたくさん出していける開発体制の強化は、今ひとつできていないと感じており、そのためには「開発・モノづくり」での求心力を備えた経営トップによる新たなステージへの飛躍を狙うために、そのような人間が必要でないかと考えた次第です。

齊藤は、当社の業績を今牽引している眼科ナイフを中心的に開発を行ってきた人間ですし、「開発・モノづくり」の魂、DNAをしっかり承継し、そして自ら体現してきた人間です。それからMHCの社長の時もそうですが「開発・モノづくり」の現場を熟知し、もちろん開発の現場もよく知っています。

そして現場からの熱い信頼および共感を得ています。このような人間こそ、これからのマニーを引っ張っていく社長として相応しいと私個人だけでなく取締役会も判断をしていただけたと思います。そしてそちらに書いてある資質のうち、私個人的には3番目の「多様性」への深い理解が非常に重要なことではないかと考えています。

1番目、2番目の資質はマニーが培ってきたものをしっかり承継していくという意味で現場力もあるわけですが、これからの世の中の展開、マニーを取り巻く環境の変化を考えた時にやはり多様性への深い理解……非常に強い好奇心に裏付けられた多様性への理解、そして寛容性、そして心を広く開いていく人間、これが非常に重要であり、新たな動きに応じてマニーを変えていくためにはこの多様性への深い理解が非常に重要ではないかと思っています。

私自身としては即齊藤にバトンタッチできると感じていますが、今後は執行役会長としてそのバトンタッチをしっかり見極めていきたいと思います。それでは私からの紹介は以上にしまして、それでは齊藤新社長を紹介したいと思います。よろしくお願いします。

新CEOのご紹介①

齊藤雅彦:ただいまご紹介にあずかりました齊藤雅彦と申します。この度の社長交代にあたり一言ご挨拶します。簡単に私の経歴を紹介します。1990年に入社し、今日までのほとんどの期間を研究開発に従事していきました。主な研究製品は眼科ナイフです。眼科ナイフは国内シェア70パーセントとなり、当社の主力製品になりました。管理面ではMANI HANOI社長として3年間ベトナムに勤務し、生産工程移管や工場建築を主導してきました。経営では現在執行役専務、企画本部長兼開発本部長として経営に参画しています。現在力を入れているのは研究開発の強化です。

世界一の品質をつくるには、独創技術を生むことが欠かせません。新しい技術やサービスが日々生まれている激動の現代においては、今まで培ってきたコア技術に加え、新しい技術を獲得するという大きな改革が必要です。今の時代に合ったモノづくりに変えていくことが重要で、当社にとって今はその大きな転換期だと考えています。そして新しい独創技術によって世界一の品質をさらに高め、将来成長に向けた新製品の開発を行い世界の隅々へ届けることでグローバル市場においてナンバーワンの存在価値のある会社に育てていくことが私の使命だと思っています。

新CEOのご紹介②

それでは新体制により具体化される現在進行中の施策を3つ発表します。1つ目は中期経営計画の策定・公表です。新型コロナウイルスの影響見極めを前提に2021年4月公表の予定で進めます。2つ目はビジョンを具現化するための新本社・R&Dセンターの創設です。敷地面積28ヘクタールの大きな土地を2021年中に引き渡される予定となっています。それから3つ目が新人事制度の導入です。年功を排し、能力ある人材や多様な人材を登用できるような新しい制度を導入していきます。この3つの車輪を回すことで強いマニーを作っていきます。今後ともみなさまのご支援とご協力を賜り精一杯努力していきますので、何卒よろしくお願いします。

髙井:それでは以上でマニー株式会社の決算説明を終了します。長い時間にわたりましてご清聴ありがとうございました。

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