今後の見通し

ニトリは今後さらなる効率化を目指しています。売り上げ貢献度の高いアプリ会員を増やし、実店舗と通販サイトをシームレスに利用できる利便性を提供するとともに、顧客データを蓄積し、販売戦略に活かしていくようです。

コロナの影響で海外事業には不透明さが付きまといますが、国内では、配送方法や配送ルートの見直しによる物流の効率化を進めています。いずれ店舗数拡大による成長は頭打ちを迎えるでしょう。効率化と商品開発によって消費者を逃さない戦略が求められます。

まとめ

ニトリは家具・インテリアのリーズナブル化によって消費者に受け入れられ、インテリア業界で圧倒的な地位を獲得しました。

巣ごもり需要とテレワークによってコロナ禍がむしろ追い風となりましたが、長期スパンで見た場合、今後も安定した地位を保ち続けられるかがポイントです。今のところ目立つ競合はいませんが、消費者が離れないよう時代の変化に対応していかなければなりません。

なお、10月20日夜来、ニトリが家具販売店・ホームセンターを展開する島忠の買収を検討していると報道されています。島忠は既にホームセンター大手のDCMホールディングスからのTOB実施に賛同しているため、買収合戦に発展するのではないかという見方もあります。こうしたM&Aの動きも今後の注目点でしょう。

【参考資料】
第5回 新型コロナウイルスに関するアンケート」調査(東京商工リサーチ)
ニトリホールディングスHP
株式会社ニトリホールディングス 2021年2月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ニトリホールディングス 2021年2月期第2四半期 決算説明会資料
株式会社ニトリホールディングス 2020年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ニトリホールディングス 2019年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)

山口 伸