2019年、金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書が大きな話題となりました。この、いわゆる「老後2,000万円問題」で老後資金を考えるようになった人も多いのではないでしょうか。
「老後資金は退職金をあてにしている」という人もいるかもしれませんが、一方で「退職金制度そのものがない…」という人もいます。
ここでは、企業規模と学歴、勤続年数(年齢)別に退職金の平均値をみてみます。
大企業の退職金はいくら?
中央労働委員会の「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査」(2019年)では、
- 資本金5億円以上 かつ
- 労働者1000人以上
から独自に選定した380社を調査対象企業としているようです。
(期間:2019年8月2日~9月12日、有効回答企業数:230社、回答率:60.5%)
2018年度の1年間の平均退職金支給額は、
- 定年退職:1,213万8,000円
- 会社都合:1,300万2,000円
- 自己都合:414万4,000円
です。
中小企業の退職金は?
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」(2018年)では、従業員が10~299人の東京都内の中小企業を対象に調査しています。
回答企業1,060社中、退職金制度がある企業は756社(71.3%)となっています。そのうち、「退職一時金のみ」がもっとも多く574社(75.9%)、「退職一時金と退職年金の併用」が156社(20.6%)、「退職年金のみ」が26社(3.4%)となっています。
大企業では退職一時金、退職年金ともに90%以上でしたが、中小企業は制度そのものがない企業の割合が高いようです。
定年時の支給金額を「モデル退職金」(卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)からみると、
- 大学卒:1,203万4,000円
- 短大・高専卒:1,106万6,000円
- 高校卒:1,126万8,000円
となっています。