高校卒

大企業・高校卒・総合職のモデル退職金

(中央労働委員会の資料をもとに筆者作成)

大企業・高校卒・一般職のモデル退職金

(中央労働委員会の資料をもとに筆者作成)

中小企業・高校卒のモデル退職金

(東京都産業労働局の資料をもとに筆者作成)

中小企業は定年退職で1,000万円ほどとなっています。大卒がもっとも高いですが、学歴差はそれほど大きくありません。

一方、大企業は総合職であればどの学歴でも退職金2,000万円に達しています。ただ、大卒は勤続30年以上、短大・高専卒は勤続40年以上、高卒は42年以上必要そうですね。

一般職は2,000万円に達していませんが、定年時は1,500万円ほどです。大企業の高校卒で一般職の方が、中小企業の大卒よりも定年時の退職金が高くなっています。福利厚生が充実している大企業だと退職金をしっかりもらえる印象ですが、勤続年数が20年ほどだと1,000万円以内となります。また学歴が短大・高校卒となると、総合職でも勤続40年ほどが必要そうです。

まとめにかえて

金融審議会の報告書によると、高齢夫婦(夫65歳以上妻60歳以上)の毎月の収入(主に年金収入)は20万9,000円。これに対して支出は26万4,000円となっており、その差額の毎月の赤字が5万5,000円となっています。

5万5,000円×12カ月×30年=1,980万円

となり、約2,000万円となります。

大企業の退職金は、学歴や勤続年数によって異なりますが、2,000万円以上もらえる人もいるようです。しかし、日本の企業の多くを占めるのは中小企業。中小企業では、定年退職まで勤めても1,000万円ほどという結果でした。老後資金は退職金だけをあてにせずに、自ら資産形成・運用をしていく必要がありそうです。

参考

「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査」中央労働委員会
「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」東京都産業労働局
『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』金融庁

尾藤 ちよ子