自治体で統一せず学校に判断を委ねているのはなぜ?
結局、学区内の中学校では修学旅行は中止となりました。中学生の娘、息子を持つ近所のママ達との立ち話で子どもの様子はどうか何気なく聞いてみると、一様に「こんな年だから仕方がないけど、部活の大会も何もかも中止されてしまい、かえって勉強や受験に心が向かない」と気持ちの切り替えが上手くいっていないことを心配していました。
ところが、隣町の中学校では行先を近場に変更して修学旅行に出かけるというのです。「そんな話を聞いたら、余計に勉強に身が入らなくてね」と嘆いていたのが印象的でした。
この話を聞いて思い出したのが、小学校でも1年生から5年生の校外学習の実施は学校によって対応が異なることです。近隣の小学校では、9月から校外学習を行っているのを見かけるようになってきました。
中にはバスに乗って校外学習に出かけている学校もありますが、実施を見合わせているところもあります。小学校によって校外学習の実施に差があるのは不思議で仕方がありませんでした。
そんな時、ある事件が起きました。子どもたちが夏休み明けから鬼ごっこの代わりに始めた、体に触れずに楽しめる「しっぽ取り」が禁止されたのです。もちろん、子どもたちからは不満の声があがります。「どうして禁止なのか」と先生に質問すると、予想外の答えが返ってきたというのです。
それは、「1、2年生が真似してベタベタ触るとお母さんが不安に思うから」という理由でした。どうやら低学年の保護者から不安の声が届き、「しっぽ取り禁止」という決定が下されたようなのです。接触を回避しつつ楽しめると先生も容認していた遊びでしたが、それが禁止になった背景がぼんやりと感じ取れました。
それでも、なんとなくモヤモヤ疑問が解けないでいた筆者。子供会運営の相談のついでに、高校生から小学生のお子さんがいてPTA役員も経験しているベテランママさんに、学校による不可思議な温度差の理由を聞いてみました。
すると、「近隣の小学校で徐々に校外活動を始めているのは、コロナに対して過敏なほど神経質になっている保護者がいないから」というのです。