国民年金の平均年金月額(受給権者数)

65~69歳:5万6,831円(795万9,326人)
70~74歳:5万6,429円(787万4,093人)
75~79歳:5万5,972円(668万9,076人)
80~84歳:5万6,336円(502万3,131人)
85~89歳:5万4,708円(326万7,638人)
90歳以上:4万7,803円(157万9,347人)
合計:5万5,708円(3,266万4,448人)

70代の平均年金月額は、厚生年金であれば14万~15万円ほど、国民年金であれば5万円台ほどとなっています。例えば、会社員の夫と専業主婦の妻の70代前半(70~74歳)夫婦であれば、月額の年金額は20万3,242円ということになります。

総務省の「家計調査報告(家計収支編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」の「世帯主の年齢階級別1世帯当たり1カ月間の収入と支出」によると、70~74歳の消費支出は26万2,751円です。年金収入では6万円ほど足りないので、貯蓄の取り崩しなどが必要といえそうです。

前述の70代以上の貯蓄をみると、預貯金よりは保有額は少ないですが有価証券が350万円ほどあります。保有資産のすべてを投資にまわすのはリスクが高いですが、高齢になっても資産運用を続けていくことは必要なのかもしれません。

まとめにかえて

金融審議会の報告書によると、高齢夫婦(夫65歳以上妻60歳以上)の毎月の収入(主に年金収入)は20万9,000円。これに対して支出は26万4,000円となっており、その差額の毎月の赤字が5万5,000円となっています。今回の記事では70代を主にみていきましたが、同じように6万円ほどの赤字となる計算となりました。

これが仮に老後30年間続くとなると、

5万5,000円×12カ月×30年=1,980万円

となり、約2,000万円となります。人生100年時代といわれて久しいですが、老後資金はまとまった額が必要となるため、長期的な視点が重要になってきます。高齢になっても資産形成・運用を続けていくのも1つの方法です。

参考

「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯) 第8-30表 各種世帯属性,貯蓄現在高,貯蓄・負債現在高の差額階級別世帯分布」総務省統計局
「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」厚生労働省
「家計調査報告(家計収支編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯) 第3-2表 世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」総務省統計局
『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』金融庁
「60代の「貯蓄2,000万円以上」世帯はどれくらいいるの?」LIMO
「みんなはいくら貯めている?20代~70代の貯蓄と負債の状況」LIMO

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

尾藤 ちよ子