株式市場の振り返り-反発となるものの、週末のイベントを控えて静かな動き

2016年8月24日(水)の東京株式市場は反発となりました。日経平均株価は前日比+0.6%の上昇、TOPIXも+0.7%の上昇で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.5%上昇して続伸となりました。

日経平均株価は、海外株式市場の上昇等を受けて前日比+52円高で寄り付いた後、すぐに一時+150円高まで上昇しました。しかし、徐々に上値が重くなり、前場の半ばには一時+47円高まで上げ幅を縮小します。後場は16,600円を挟む攻防となり、大引けは+99円高の16,597円で終わりました。鬼門の後場は比較的静かな動きに終始したようです。

東証1部で上昇したのは1,237銘柄、値下がり587銘柄、変わらず149銘柄でした。東証1部の出来高は13億2,287万株、売買代金は1兆6,077億円(概算)となっています。週末のイベントを控えて、様子見スタンスが強まった結果の薄商いと考えられます。

セクター動向と主要銘柄の動き-28業種が上昇、素材系の上昇と小売株の下落が目立つ

東証1部で上昇したのは28業種、下落したのは5業種でした。上昇率の上位には、素材関連、輸出関連、金融関連などが目立ちましたが、特段大きな動きはなかったと見られます。他方、下落した業種では、原油関連、及び、小売りセクターの下落が目立ちました。

個別銘柄では、しまむら(8227)が前日発表した8月の月次売上を懸念視されて急落し、年初来安値を更新しました。また、ニトリホールディングス(9843)も急落となっています。ファーストリティリング(9983)も値を下げました。また、アルプス電気(6770)が大幅続落となり、任天堂(7974)や日本電産(6594)も冴えない値動きとなっています。一方、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ソニー(6758)が値を上げました。また、下落が目立った小売株の中では、ファミリーマート(8028)がザラバで年初来高値を更新しましたが、終値では小幅下落となりました。

東証マザーズ市場の動き-依然として続く薄商いの中、総合指数は最後に切り返して続伸

東証マザーズ総合指数は、取引時間中に何度もマイナス圏に沈みましたが、最後は切り返して小幅続伸となりました。また、ザラバでも900ポイントは維持しています。出来高は前日より小幅増加となる5,373万株でしたが、売買代金は大きく減って640億円に止まりました。商いは依然として低水準にあります。なお、騰落状況は、値上がり101銘柄、値下がりは109銘柄、変わらず11銘柄となっています。閑散相場を打破するような、物色テーマや材料が欲しいところです。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が小幅上昇となる続伸となりましたが、その他の医療バイオ関連銘柄は軒並み不振で値を下げています。また、米国投資情報会社(空売りファンド)の売り推奨レポートが公表されて以降、株価が6日続落となっていたCYBERDYNE(7779)は、僅かながらとはいえ上昇し、7日ぶりの反発となりました。ただ、本格的な反騰の兆しとは言い難い状況です。時価総額の大きい銘柄では、ミクシィ(2121)も小幅下落となり3日続落でした。その他では、ALBERT(3906)とエナリス(6079)のストップ高が目立っています。

本日(8月25日)の注目点-株価指数だけでなく個別銘柄の激しい値動きにも注意

26日(現地時間)のジャクソンホール会議におけるFRB議長講演を控え、24日の株式相場は様子見スタンスが強くなりました。このイベントを控えているため、目先の材料が不足しているためです。しかし、逆に、些細なニュースでも、それを“ネタ”にした激しい揺さ振りが仕掛けられています。

24日で言えば、しまむら株の激しい暴落がそれに該当します。月次売上が前年割れだったことが理由とされていますが、それだけで場中に一時▲14%安まで売られるとは考え難いです。恐らく、狼狽売りに走ってしまった個人投資家も少なくなかったと思われます。25日(木)も、株価指数だけでなく、こうした個別銘柄での激しい値動きに注意が必要です。逆に、投資資金に余裕のある方なら、明らかな過剰反応となった下値をコツコツ拾うのも選択肢の1つです。

一方、新興市場は一時期出始めていた回復の兆しも消え去り、低迷が続く可能性が高くなりました。26日のジャクソンホール会議の結果次第では、再び大型株へ資金が流入することも考えられるため、新興市場にとっては逆風となります。今は慌てずに様子見スタンスに徹しましょう。

青山 諭志