結局、日本は「国際金融ハブ」になれない?中国に操られる香港の行く末

香港は国際金融ハブとしてさらに強化?

今後のアジアの金融ハブがどこになるのかと憶測が飛び交うなか、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(※5)では、中国当局が「クロスボーダーの資金移動がより容易になるよう」香港を支援し、香港の国際金融ハブとしての地位を低下させるどころか、より強化させていく姿勢を示していることを取り上げています。

実際、中国本土のハイテク大手企業が次々と香港で重複上場したり、中国本土の企業案件が増え、香港の金融機関は巨額な利益を得ているということです。同紙は「最近の香港金融セクターのパフォーマンスは、中国当局と歩調を合わせることがいかに恩恵をもたらすかを示している」と述べています。

また同紙では、「香港に深く根ざしているグローバル金融機関は、すでにビジネス環境の変化に適応している」と述べています。さらに、今後も多くの中国ビジネスを獲得するため、本土の企業や富裕層客に対応できるよう、標準中国語を話す「中国人の採用を強化」していると指摘しています。

「国安法」施行による香港の新たな立場は、実は金融業界にとっても「中国ビジネス拡大のチャンス」とみられているようです。残念ですが、日本がアジア国際金融ハブになる可能性は少ないということでしょうか。

結局、中国は国にとって好ましくない報道機関を締め出し、経済強化を支える金融機関とはWIN-WINの関係を築き、「国安法」を都合よく使い分け香港を操っていくつもりなのでしょう。今後の中国と香港の動向に注目していきたいです。

参考

(※1)The New York Times“New York Times Will Move Part of Hong Kong Office to Seoul”
(※2)『「国際金融都市・東京」構想の策定について』東京都
(※3)『東京「国際金融都市」への課題は 識者3人に聞く』日本経済新聞
(※4)HSBC“A unique insight into how expat life differs across the globe”
(※5)「金融ハブ香港、さらなる発展狙う中国の思惑とは」THE WALL STREET JOURNAL

美紀 ブライト

参考記事

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アメリカ在住。
アメリカの某大学卒業。専攻は経済学と会計学。日本の大手専門商社にて海外輸出業務に従事した後、アメリカでは大学のアクセシビリティサービスに勤務しアメリカの教育現場に携わる。現在は、アメリカの低所得層の子供達を対象にした学習支援団体に所属し小学生と共に成長中。趣味はピラティス(指導者認定資格取得)と映画鑑賞とスパイ小説(特にDaniel Silva)を読むこと。
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