5月の収入は増!理由とは?

勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり50万2,403円と同9.8%増となっています。驚いたことに、増加しています。グラフ(実収入の対前年同月実質増減率の推移)を見ると、5月は大幅に増加していることが分かります。

出典:総務省統計局「家計調査」

(実収入には,勤め先収入(世帯主収入、配偶者の収入及び他の世帯員収入)のほか、事業・内職収入、社会保障給付、財産収入などが含まれています)

実収入の内訳をみてみると、「特別収入」がもっとも増加しており同417.3%増の3万9,905円となっています。現金10万円が一律に給付される特別定額給付金が影響しているのかもしれません。

ただ実収入が増加しているにも関わらず、ここまで消費が落ち込んでしまうとは、外出自粛だけではなく今後の収入への不安など、心理的な影響も大きいような気がします。今は実収入が増加していても、ここまで消費支出が減少していれば、何も影響がないはずがない…と考えてしまいますよね。

パート・アルバイトや契約社員の人の中には、労働時間が減少している人もいるようです。厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和2年5月分結果速報」によると、労働時間(一人平均)は122.3時間で前年同月比9.0%減と全体的にも減少しています。そのうち、所定内労働時間は115.0時間で同7.4%減ですが、所定外労働時間は7.3 時間で同29.7%減と大きく減少しています。パートタイム労働者の総実労働時間は71.6時間と同13.4%減です。平均よりも大きく減少していることが分かります。

また「労働力調査」によると、5月の完全失業者数は198万人となっており、前年同月に比べ33万人増となっています。完全失業率は2.9%で同0.3ポイントの上昇です。失業者も増加傾向にあります。

(「毎月勤労統計調査」における「現金給与額」とは、「労働の対償として使用者が労働者に通貨で支払うもので、所得税、社会保険料、組合費、購買代金等を差し引く前の金額」のことです。また、退職金は含まれていません。2019年、全数調査ではなく一部を抽出調査にしていたという不正問題があったこともここに記しておきます)