「ポケモンGO相場に乗り遅れた」

日本でも7月22日(金)にリリースされたポケモンGO、多くの方がトライしています。筆者の周りでも多くの人が早速始めています。街のあちこちで、大人も子供も、スマホに釘付けになっています。

筆者は昨晩(7月23日)帰宅すると、家族から「ダイエットになるから、ポケモンGOをやりなさい」と厳しい指導を受けました。ウォーキングになるのは確かに良いですが、休日に外に出て行ってくれというのが本当の指示事項ではないかと察しています。ポケモンGOと提携してかなり盛況な様子のマクドナルド(2702)で時間をつぶそうかと思います。

任天堂(7974)の株価は急騰しました。6月30日の終値は14,585円、これがわずか3週間あまりで28,220円になりました。ほぼ2倍です。市場ではポケモンGO関連株がリストアップされてポケモノミクス相場などと囃されています。

うまくこの相場に乗れた方は良いのですが、乗れなかった方は「乗り遅れた」と感じていらっしゃるのではないでしょうか。

いま本当に悩んでいるのはプロの投資家たち

実は「乗り遅れた」と強く感じているのはプロの投資家、機関投資家のほうかもしれません。現在の任天堂の時価総額は約4兆円で、みずほフィナンシャルグループ(8411)、ソニー(6758)、キャノン(7751)とほぼ同額です。

最近の機関投資家は短期の成績を重んじますので、任天堂をどう持つかが成績を左右しかねません。特に任天堂株をあまり持っていなかったアクティブファンドの運用者は頭を抱えているかもしれません。同時にうまく任天堂に乗った投資家もその降り方に大変気を使うと思います。

悩みを深くしている理由がもう少しあります。それは、「直近の状況を鑑みても、現時点では、当業績予想の修正は行いません。」という2016年7月22日付けの任天堂のプレスリリースです。これによって任天堂株のボラティリティが高止まりするようだと、さらに任天堂株に注意が必要になるからです。

個人投資家の特権は「見送りOK」

短期的な運用成績競争にあけくれる機関投資家とは対照的に、個人投資家は短期の値幅取りに徹するもよし、見送りにするのもよしで、行動に制約がありません。これは個人投資家の特権ですので、ここはこの特権を活かしましょう。

「乗り遅れた」といって次のバスを待つより、行き先を変えてみてしまうのも一つの方法です。

相場に新しい主役が現れるとき、注目を浴びない銘柄に儲けのチャンス

さて、過去には株式市場でさまざまなブームがありました。ブームの渦中の株はグロース株(成長株)としてもてはやされます。そしてグロース株に市場の注目が集まるほど、グロースではない株、すなわちバリュー株は蚊帳の外におかれます。

ちなみに東証のスタイルインデックスを調べると、2015年はグロース株もバリュー株もパフォーマンスに差が出ませんでした。しかし、昨年末から2016年7月22日までを見ると、バリュー指数が▲18%、グロース指数が▲10%となっています。2016年に入りグロース優位、バリュー劣位の展開になっていると言えるでしょう。

このような局面では「第二の任天堂」を探すだけではなく、不人気なバリュー株のなかから良い株を探すというアプローチもありでしょう。例えば時価総額500億円以上、ROE8%以上、PBR1倍以下、自己資本比率50%以上でスクリーニングを簡易的にかけると30銘柄がリストアップされます。筆者の感覚では、30銘柄は比較的多いという印象です。

日本でもこれから四半期決算の発表が本格化します。バリュー株の決算で悪材料が出尽くし次の利益牽引役が見えてくるようなら面白い投資先になるのではないでしょうか。ポケモンGO相場に乗り遅れたとお考えの方は、決算発表を丹念に追って見ることをお勧めしたいと思います。

 

LIMO編集部