この記事では、某商社ニューヨークオフィスに勤務するビジネス書大好き人間が、日々通う書店のビジネス書コーナーで感じたことをお話ししていきます。
日本の方もニュースなどでご存じのことと思いますが、ニューヨークは新型コロナウイルスの感染者が数多く、深刻な状況が続いています。野球好きな私は、メジャーリーグの再開が待ち遠しいです。早くコロナの問題が収束して、何気ない日々が戻ることを祈るばかりです。
それでは、今月もランキングを見ていきましょう。
バーンズ&ノーブル(BARNES & NOBLE)の5月のビジネス書売れ筋ランキング
※ 順位/タイトル/邦題(翻訳書がないものは編集部で独自に訳した仮題)/著者
1.Think and Grow Rich/(邦題)思考は現実化する(きこ書房)/著:ナポレオン・ヒル
2.Traffic Secrets: The Underground Playbook for Filling Your Websites and Funnels with Your Dream Customers/(仮題)トラフィックの秘密:あなたのウェブサイトとマーケティング・ファネルを理想の顧客で埋めるウラの筋書き/著:ラッセル・ブランソン
3.Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money That the Poor and Middle Class Do Not!/(邦題)金持ち父さん 貧乏父さん―アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学(筑摩書房)/著:ロバート・キヨサキ
4.The 48 Laws of Power/(邦題)権力に翻弄されないための48の法則 上・下(パンローリング)/著:ロバート・グリーン
5.How to Win Friends and Influence People (Special Anniversary Edition)/(邦題)人を動かす(創元社)/著:デール・カーネギー
6.The New Class War: Saving Democracy from the Managerial Elite/(仮題)新しい階級闘争:経営のエリートから民主主義を救う/著:マイケル・リンド
7.Atomic Habits: An Easy & Proven Way to Build Good Habits & Break Bad Ones/(邦題)ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣(パンローリング)/著:ジェームズ・クリアー
8.The Intelligent Investor Rev.Ed./(邦題)新賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法(パンローリング)/著:ベンジャミン・グレアム
9.The 7 Habits of Highly Effective People: Powerful Lessons in Personal Change/(邦題)7つの習慣―成功には原則があった!(キングベアー出版)/著:スティーブン・R・コヴィー
10.Shoe Dog: A Memoir by the Creator of Nike/(邦題)SHOE DOG(東洋経済新報社)/著:フィル・ナイト
発行部数1億部の「不朽の名作」がトップに
まずは、1位にランクインした『Think and Grow Rich』です。1937年の刊行以来、人気の衰えない発行部数1億部を誇る不朽の名作。『思考は現実化する』という邦題で日本でも多くの人に読まれています。
著者は、ナポレオン・ヒル。アメリカの鋼鉄王アンドリュー・カーネギーに師事した彼が数十年をかけて研究してきた成功哲学が、科学的な裏付けとともに紹介されており、読みごたえがあります。
若手実業家の新刊と大学教授の階級論
そして、2位にランクインしたのは、初登場『Traffic Secrets』。こちらは、『DotCom Secrets』『Expert Secrets』と続いてきた人気のシリーズの最新刊で、2020年の3月にアメリカで発売されて以来、注目を集めている1冊です。著者のラッセル・ブランソンは、大学在学中にオンライン企業を立ち上げ、卒業後1年で100万ドルを超える売上を叩き出した若手の実業家。彼の経験から導かれた「現代における顧客獲得のプロセス」について書かれているこの本は、マーケティングに興味がある方におすすめです。
最後に紹介するのは、6位の『The New Class War』です。こちらは、欧米を中心に台頭するポピュリズムと、それに伴う階級闘争を生き抜く方法論を説いた今年刊行の書籍。ノンフィクションのライターを経て、現在は大学教授であるマイケル・リンドが、階級闘争における画期的な見方を提示しており、ポピュリズムについて論じられている他の本とは一線を画しています。ヒットしているのも納得の1冊です。
まとめにかえて
今回は、往年のベストセラーと注目の新作がランクインしました。「おうち時間」を読書で過ごすのもいいかもしれませんね。
それでは、次回のランキングもお楽しみに!
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