お金も心も限界…苦しむ妻に夫がかけた言葉
何年も続く不妊治療。その費用は200万円にものぼっていました。
「お金も厳しいですが、それ以上に心が限界でした。でも限界だったのは、私だけじゃなかったんです」
ある日、夫から告げられたのは、まさかの「離婚」の2文字でした。
「『もう不妊治療に向き合うのは耐えられない。子どもはいなくてもいい。2人だけでゆっくり過ごしたいんだ。それが無理なら、離婚しよう』と、夫は言いました。その時の私は、悔しくて悲しくて…。こんなに頑張ってるのになんでわかってくれないんだって」
不妊治療のストレスと夫の言葉、そして離婚を切り出されたという現実に、感情が爆発してしまったAさん。この日、結婚して初めての大喧嘩をしたといいます。
しかし、時間が経って冷静になると、あの言葉は夫の優しさだということに気づいたそう。
「普段優しい夫が離婚を切り出したのは、考えに考えた結果だと思いました。決断させるために、苦しい選択肢を作ったんだと。それはきっと私のためだったんでしょう。できるかわからない子どもと、ずっと隣にいてくれる夫。どちらを選べばいいかなんて、決まっています」
そしてついに、不妊治療をやめたAさん。夫婦2人で生きていくことを決め、夫とできることを存分に楽しんでいるそうです。
「もちろん、子どもが欲しいという気持ちがゼロになったわけではありません。子どもがいる夫婦を見ると時々悲しくなります。でもそれより、趣味や旅行、夫と過ごす毎日を楽しもうと思えるようになったんです」