株式市場の振り返り-日経平均株価は4日続伸、売買もまずまずの活況を維持
2016年7月14日(木)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+1.0%の上昇、TOPIXも+0.8%の上昇で引けています。ともに4日続伸です。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲0.5%下落する続落となりました。
日経平均株価は、前日比+10円高で寄り付いた後、間もなく▲2円安のマイナスに転じました。しかし、それから再び買いが優勢となり高値圏を推移した後、後場の終盤に一時+167円高まで上昇しました。結局、大引けは+154円高の16,385円で終わっています。
東証1部で上昇したのは1,119銘柄、値下がり696銘柄、変わらず152銘柄でした。東証1部の出来高は20億4,920万株、売買代金は2兆4,920億円(概算)となっています。出来高、売買代金とも前日より少し減少したのは気掛かりですが、まずまずの水準を維持しています。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中29業種が上昇、金融関連は買い戻し一服
東証1部で上昇したのは29業種、下落したのは4業種でした。上昇率上位は、極端に買われた1業種(その他製品、+7.1%)を除くと、満遍なく買われた印象があります。他方、下落した業種では、ここ数日買い戻しが顕著だった金融関連が多いようですが、小幅下落に止まりました。
個別銘柄では、“ポケモノミクス相場”の立役者である任天堂(7974)が急騰し、またしても年初来高値を更新しました。その他の主力株では、ローソン(2651)、ソニー(6758)、コマツ(6301)、トレンドマイクロ(4704)、電通(4324)などが大幅上昇となりました。一方、ファーストリティリング(9983)、ホンダ(7267)、パナソニック(6752)などの大型株が値を下げ、東京電力ホールディングス(9501)も冴えない動きでした。
東証マザーズ市場の動き-見どころなく続落、1,000ポイントの大台回復もならず
東証マザーズ総合指数は、14日も取引時間中に一時1,000ポイント回復となりましたが、終値では維持できず、前場の終盤からマイナス圏に沈み、そのまま続落となりました。4日続伸の大型株市場とは好対照な結果です。出来高は前日より微増の5,959万株、売買代金はかなり増えて1,289億円となりました。しかし、新興市場として見ても、依然として厳しい薄商いが続いています。なお、値上がりが129銘柄、値下がりは96銘柄、変わらず9銘柄でした。閑散相場を打破するような材料が欲しいところです。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が+5%超の上昇となり、指数下落を少なからず下支えしました。ただ、ヘリオス(4593)等を除くと、医療バイオ関連銘柄は総じて小安い銘柄が多く、一時の盛り上がりはなくなっています。一方で、時価総額の大きいミクシィ(2121)が大幅下落となるなど、サービス関連銘柄の不振も目立ちました。なお、CYBERDYNE(7779)は小幅上昇でした。全体的に、極端に上昇した銘柄や下落した銘柄は非常に少なかったようです。残念ながら、新興市場らしいダイナミックな株価の動きはほとんど見られませんでした。
本日(7月15日)の注目点-“ポケモノミクス相場”に沸く中、ユニクロ株に注視
週明けから4日続伸となった日経平均株価は、未だ特段の過熱感も感じられず、先高観も強いようです。今回の上昇相場は、米国でのスマホ向けゲーム「ポケモンGO」が好調な任天堂の連日に渡る株価爆騰が牽引役となったことから、“ポケモノミクス相場”と呼ばれているようです。ポケモノミクス相場は、もう暫く続くような気配です。
ポケモノミクスに負けていられないと思ったかどうか定かではありませんが、本家のアベノミクス相場も、今後は具体的な景気対策が出て来る模様であり、相応の期待が持てましょう。また、為替相場がスルスルと円安に反転しており、内需関連も外需関連も買い上げる材料が豊富です。ただ、永遠に上げ続ける相場は存在せず、7月下旬から始まるQ1決算が相応に厳しいことを踏まえると、無暗矢鱈に上値を追い駆けるのは危険と言えます。週末15日(金)は、14日の引け後にQ3累計決算を発表したファーストリティリングに注目しましょう。
一方、新興市場は物色テーマが完全に枯渇しており、足元は打つ手がない状況です。薄商いの新興市場は目立った激しい動きは見られませんが、大型株への資金シフトの一環で換金売りが出る可能性もあります。引き続き注意して静観が望ましいと言えますが、任天堂の急騰に絡んでゲーム関連株の動きが要チェックです。
青山 諭志