株式市場の振り返り-上げ幅を縮小しつつも3日続伸、新興市場は振るわず

2016年7月13日(水)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.8%の上昇、TOPIXも+1.1%の上昇で引けています。ともに3日続伸となりました。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲0.3%下落して3日ぶりの反落でした。

日経平均株価は、NY市場の大幅高や円安進行等を受けて前日比+247円高で寄り付き、前場の半ばには一時+348円高まで上昇しました。しかし、円安進行が一服したことに加え、週明けからの急ピッチな上昇を警戒する動きが強まり、大引け直前には+100円高まで上げ幅を縮小しました。最後はやや切り返して、最後は+135円高の16,231円で終わっています。なお、この終値は急落前日(6月23日)の終値とほぼ同じです。

東証1部で上昇したのは1,277銘柄、値下がり597銘柄、変わらず93銘柄でした。東証1部の出来高は27億3,943万株、売買代金は2兆8,916億円(概算)となっています。売買代金3兆円回復はお預けとなりましたが、主力株への資金流入を背景に、商いの活況感は回復し続けています。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中25業種が上昇、金融関連の買い戻し続く

東証1部で上昇したのは25業種、下落したのは8業種でした。特筆するような動きはなかったようですが、前日に続き金融関連、とりわけ、銀行セクターが買われました。また、円安を好感して、輸送用機器も大幅上昇となっています。他方、下落した業種では内需系関連が目立ったようです。

個別銘柄では、連日で急騰していた任天堂(7974)が大幅反落となり、ソニー(6758)や東京エレクトロン(8035)も場中に年初来高値を更新した後、利益確定売りに押されて下落しました。他には、ピジョン(7956)が急落し、ローソン(2651)も小安く終わっています。上昇した銘柄の中では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が大幅高となり、三井不動産(8801)も値を上げました。また、村田製作所(6981)やアルプス電気(6770)などの電子部品株も大幅上昇となっています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は3日ぶりの反落、終値の1,000大台回復成らず

東証マザーズ総合指数は、寄り付きは高く始まり、再び1,000ポイントを回復しました。しかし、前場の終盤からマイナス圏に沈み、1,000ポイント割れとなってそのまま引けています。寄り付き天井となる冴えない動きに終わりました。出来高は前日より減少して5,746万株、売買代金も1,050億円に止まりました。新興市場として見ても、かなり厳しい薄商いです。なお、値上がりが99銘柄、値下がりは125銘柄、変わらず8銘柄でした。閑散相場を打破するような材料が欲しいところです。

個別銘柄では、ヘリオス(4593)は大きく値を飛ばしましたが、そーせいグループ(4565)やアキュセラ(4589)を始めとする医療バイオ関連銘柄は、総じて下落しました。医療バイオ関連以外では、ブランジスタ(6176)などが大幅下落となりましたが、全体的に、極端に上昇した銘柄や下落した銘柄はなかったようです。残念ながら、新興市場らしいダイナミックな株価の動きはほとんど見られませんでした。

本日(7月14日)の注目点-急落前水準に回帰、出遅れ感のある個別銘柄にシフトへ

13日の日経平均株価は一時16,500円を伺う上昇を見せていただけに、小幅高で終わったことに落胆している方が少なくないかもしれません。安心してください、まだ上昇相場は終わっていませんよ!まず、出来高が着実に増加しており、株式市場には買いのエネルギーが溜まりつつあります。この売買の活況は、上昇相場には必要不可欠です。また、前日(12日)に16,000円台を回復し、翌日にいきなり16,500円を回復するとなれば、これはかなり急ピッチな上昇であり、反動も懸念されます。13日は適度な上昇だったと見ていいでしょう。

ただ、英EU離脱ショック前の水準に戻ったことで、週明け以降の大幅上昇が続く可能性は低くなっています。ちょうどQ1決算が始まるタイミングでもあることから、14日(木)は業績好調で、出遅れ感がある個別銘柄に注目していくべきです。今回、外需セクターの急上昇に乗り遅れた個人投資家にも、Q1決算後はチャンスが訪れましょう。

一方、新興市場はやや注意が必要です。投資資金が大型株に向かっているところに、今週末のLINEの上場を控えるなど、逆風が吹いています。当面は物色対象のテーマもないため、慌てる必要はありません。むしろ、LINEや大型株への投資資金捻出のために、売りが嵩む可能性もあります。個別株の下値をコツコツと狙うことに徹するべきです。

青山 諭志