サントリー食品インターナショナル、1Qは減収も増益 備蓄需要は好調も業務用市場は厳しく

2020年5月8日に行われた、サントリー食品インターナショナル株式会社2020年12月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:サントリー食品インターナショナル株式会社 常務取締役 経営企画本部長 三野隆之 氏

2020年12月期第1四半期決算説明会

三野隆之氏:サントリー食品インターナショナル社、三野です。本日は、お忙しい中ご参加いただき誠にありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症に罹患されたみなさまと、関係者のみなさまにお見舞い申し上げます。ならびに、お亡くなりになられた方々に、心よりご冥福をお祈りします。また、感染拡大防止に努力をいただいているみなさま、感染者の診断や治療にあたられている医療関係のみなさまに心から敬意を表します。

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本日は、現在の状況を踏まえ、当社を取り巻く環境、スタンスに関して、まずご説明します。

全体 当社を取り巻く環境

2ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症の影響を受け始めた時期はエリアによって異なるものの、とくに3月以降、当社を取り巻く事業環境が大きく変化しました。

スーパーを中心に備蓄需要が発生、業務店は営業停止、もしくは自粛中となり、テイクアウトやデリバリーが許可されているケースもありますが、業務用チャネルの需要は全体として大きく減少しています。家庭内消費が増え、スーパーのみならずEコマースが伸長しています。大容量およびマルチパック等のまとめ買いが見られ、定番商品を求める傾向が顕著となっています。結果、1月から3月の当社業績にも影響を与えることとなりました。

全体 当社への影響

3ページをご覧ください。

大きな変化点となった3月単月について、今回は少し詳細にご説明します。

日本は売上が9パーセント減少しました。チャネル別では、スーパーは増加しましたが、外出自粛要請の影響を受けたコンビニならびに自販機は減少しました。欧州は売上が12パーセント減。とくにフランス、スペインの業務用が大きく影響を受けました。アジアは売上が10パーセント減。とくにタイの飲料事業および健康食品事業が、市場の低迷ならびにロックダウンの影響を受け、大幅に減少しています。オセアニアは備蓄需要があったものの、ロックダウンの影響を受け、前年並みです。米州のペプシ・ボトリング・ベンチャーズは、備蓄需要により10パーセント増となりました。

全体 当社のスタンス

4ページ目をご覧ください。

このような状況下、当社スタンスをご説明します。長期的な視点に立ち経営を行なっていくことに変わりはありません。私たちのブランドを磨き上げお客さまにお届け続け、そこで働く人・チームへのサポートを続けていった上で、事業環境の変化に即し活動を進めていきます。

また、従業員とその家族の安心・安全を最優先とし、感染拡大防止のための各国行政からの要請・指示に対応していきます。さらに、社会的責任を果たすため生産を継続し、お客さまやお得意先さまに商品をお届けし続けることや、お客さまの行動・嗜好の変化を捉え、メリハリをつけながらもブランド投資を継続することのほか、買い場の変化に迅速に対応し、コストのゼロベースの見直しなどにも取り組みます。

他方、各国のロックダウンや日本の外出・営業自粛要請により、第2四半期以降、業績への影響は避けられないと見ています。第3四半期以降には事業環境が回復する可能性もあると見ていますが、先行きが読めない状況です。

こうした状況を考慮し、2020年度年間の業績見通しは現時点で見直すタイミングではないと判断しました。今後、ロックダウンや外出および営業自粛要請のタイミング等を見計らい、状況が見据えられるようになった時点で、あらためてご説明します。

全体 当社の取り組み

5ページ目をご覧ください。新型コロナウイルスの影響が長引くなか、社会への貢献活動を続けていきます。現在、世界各地において、医療機関への物資提供や地域社会への飲料や食料の提供、業務店さまへの支援等を実施しています。また、サントリーグループとして、日本、米国、欧州において医療機関向け消毒用アルコールの提供を開始しました。

これからも飲料メーカーとして、まずはみなさまの生活に必要とされる飲料をお届けすること、さらには、その国の状況に応じた支援を続けていきます。

2020年度 第1四半期実績

それでは、2020年度第1四半期の業績結果をご報告します。6ページをご覧ください。売上収益は2,772億円、為替中立で1.7パーセント減となりました。レポーティングベースでは3パーセント減となります。既存事業ベース営業利益は、為替中立で13パーセント増の201億円、レポーティングベースでは11.3パーセント増となりました。

非経常的な要因も含めた営業利益は、為替中立で13.2パーセント増の198億円。レポーティングベースでは11.6パーセント増です。親会社の所有者に帰属する当期利益は127億円、為替中立で20.5パーセント増。レポーティングベースでは18.8パーセント増となりました。

2020年度 第1四半期実績 (セグメント別)

7ページをご覧ください。セグメント別の業績です。以降、為替中立でご説明します。売上収益は、日本、欧州、アジアで前年を下回り、全体で減収しています。セグメント利益は、全リージョンで増益となり、全社で2桁の増益率となりました。次ページより、セグメントごとにご説明をします。

日本 第1四半期実績

8ページをご覧ください。日本における市場全体の販売数量は、3月からの外出自粛要請の影響を受け、1月から3月で2パーセント減少したと推定されます。当社においても販売数量が累計で2パーセント減となり、市場並みとなりました。

売上収益は、コンビニ、自販機チャネルを中心に販売数量減となりましたが、「伊右衛門プラス おいしい糖質対策」の新発売もあり、トクホ、機能性の販売トレンドは維持しています。大容量ペット商品の値上げ効果も継続し、2.6パーセント減の1,468億円となりました。

また、セグメント利益はコスト削減活動に加え、販促広告費投入タイミングを第2四半期以降にシフトした結果、9.4パーセントの増益となりました。4月以降、備蓄需要が一巡することと、コンビニや自販機は外出自粛要請の影響を強く受けるため、トレンドはさらに厳しくなっています。

他方、「サントリー天然水」「GREEN DA・KA・RA」、新発売した「伊右衛門」など、戦略カテゴリーにおけるブランドは堅調に推移しています。併せて、Eコマースチャネルは2桁以上の伸びを示しています。

欧州 第1四半期実績

9ページをご覧ください。欧州です。売上収益は英国が増収となったものの、フランス、スペインにおいて業務用市場が低迷し、1月から3月で2.1パーセントの減収となりました。セグメント利益は、マーケティング費用の効率化、原材料市況の改善により、21.5パーセントの増益となりました。

フランスは3月以降、業務用市場が悪化し、主力「Orangina」および「Oasis」が前年を下回り、3.2パーセントの減収。英国は備蓄需要により「Lucozade Energy」が伸長し、1.8パーセントの増収。スペインは業務用市場が大きく悪化し、11.8パーセントの減収となりました。

4月以降、日本同様備蓄需要は一巡し、業務用市場はさらに厳しい状況が続いています。他方、家庭内需要により、英国を除く欧州全域で「Schweppes」ブランドが、英国では「Ribena」の濃縮タイプがともに堅調です。

アジア 第1四半期実績

10ページをご覧ください。アジアです。売上収益はロックダウンの影響を早くから受け始め、1月から3月では2.4パーセントの減収。原材料市況の改善、マーケティング費の投入時期見直し等により、セグメント利益は10.5パーセントの増益となりました。

ベトナム飲料事業は、段階的にロックダウンの制限が厳しくなっていくなか、「Aquafina」と「TEA+」が下支えし、1月から3月では2.4パーセントの増収となりました。

タイ飲料事業は、昨年度末から経済が低迷していたことに加え、中国からの観光客減、3月末からのロックダウンにより、0.7パーセントの減収となりました。

健康食品事業は、主力の「Essence of Chicken」が全体的に堅調だったものの、中国観光客の購買に牽引されていた「Bird’s Nest」がタイにおいて大きく減少し、9.8パーセントの減収となりました。

4月以降、ベトナムでは全国的にロックダウンを実施し、直近では緩和されつつあるものの人通りが大幅に減ったことで、主力「Traditional Channel」の厳しさが継続しています。タイは4月に予定されていた旧正月にあたるソンクランが中止になるなど、市場回復まではさらに時間がかかると想定しています。

他方、ベトナム・タイ飲料事業は主要カテゴリーにおいてマーケットシェアを伸ばしており、「Essence of Chicken」は免疫系商品が好まれるというトレンドに乗り堅調に推移することを想定しています。

オセアニア・米州 第1四半期実績

11ページをご覧ください。オセアニアと米州です。オセアニアは、フルコアサントリー、フレッシュコーヒー事業とともに1月から3月は増収、セグメント利益も9.4パーセントの増益となりました。また、ニュージーランドにおいてロックダウンが徐々に緩和されつつあり、業務店やコンビニの販売トレンドは少しずつ改善傾向にあります。

米州のペプシ・ボトリング・ベンチャーズは、備蓄需要により1月から3月は増収、セグメント利益も0.2パーセントの増益となりました。4月以降も業務店やコンビニの販売トレンドは厳しい状況が続いていますが、家庭内需要は引き続き堅調に推移をしています。以上、第1四半期の業績をご報告しました。

財務状況については、ネットデットは継続的に低減する等、バランスシートの健全性は強化されています。コミットメントライン等も十分に確保しており、事業継続上のキャッシュに問題はありません。

また、必要な投資は継続しますが、不要不急の支出をゼロベースで見直し、キャッシュフローマネジメントを強化していくことは冒頭にお話をしたとおりです。加えて、当社の中長期的な配当方針に変更はありません。

他方、4月以降も事業の厳しさは継続すると想定しています。状況を注視し、あらためて事業の影響等についてご説明します。当社においては、長期的な視点に立った経営スタンスを変えることなく、持続的な成長の実現に向け事業を推進する一方、お客様の嗜好や買い場のシフトに対しすみやかに変化対応を行なっていきます。

最後になりますが、新型コロナウイルス感染症に罹患されたみなさまと関係者のみなさまにお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々に心よりご冥福をお祈りします。また、感染拡大の防止に向け努力をされているみなさま、感染者の診断や治療にあたられている医療関係のみなさまに、心からの敬意を表します。

私からは以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

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