アドバンテスト、受注高2年連続で過去最高更新

主力のテスターに加え、M&A案件が奏功

新型コロナで生産面は制約を受けるも需要環境は良好

 半導体テスター大手のアドバンテストが発表した2019年度第4四半期(1~3月)業績のうち、受注高は907億円(前四半期比24%増/前年同期比38%増)となり想定を上回った。メモリーテスターが好調だったほか、SLT(システムレベルテスト)事業の受注が大幅に伸びた。これにより、通期での受注高は過去最高を更新した。

20年1~3月期受注高は予想上回る

 当初、第4四半期の受注高は前四半期並み(第3四半期実績729億円)を見込んでいたが、実績値は前四半期比で100億円以上増加した。メモリーテスターにおいて、前四半期から増加傾向にあったDRAM向けに加えて、NAND向けが伸長したほか、サービス他に含まれるSLT事業の受注が大幅に伸びたことが主な上ぶれ要因。

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 製品やモジュール単位でテストを行うSLTは昨今、半導体デバイスの複雑化や信頼性要求の向上に伴い、市場ニーズが広がっている。同社では13年からSSD向けSLT事業に参入したほか、18年にAstronics社、20年にはEssai社を買収するなど、M&Aも積極的に実施。SLTおよびリカーリングビジネスの拡大に努めてきた。

 1〜3月期におけるサービス他の受注高は、前四半期比64%増の260億円。このうち、約6割がSLT関連だとしており、19年度(20年3月期)通年ベースでも、およそ3割を占める構成比になっているという。具体的には、SSD向けとSoCのハイエンドアプリケーション向けが好調であったとしている。

新型コロナの影響考慮し20年度通期予想は見送り

 19年度通期業績は、売上高が前年度比2%減の2750億円、受注高が同5%増の2878億円、営業利益が同10%減の587億円となり、いずれの項目も20年1月時点の想定を上回ったほか、受注高は2年連続で過去最高を更新した。

 20年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、市場環境の不透明さが増しているとして、通期予想の開示は見送った。第1四半期(4~6月)業績予想の開示のみとし、売上高は前四半期比3%増の700億円、受注高は同32%減の620億円を計画する。

 新型コロナによって需要面に大きな影響は今のところないが、供給面では制約を受けているという。SoCテスターの主力機種である「V93000」はその多くをマレーシアのEMSを使って生産しており、活動制限令によって、生産活動を一時中断した。

 ただ、マレーシアにとっても半導体は重要産業だとして、現在は操業度を落としたかたちで稼働が認められている。第4四半期までは出荷に影響はなかったものの、4月以降は影響が表面化する見通しで、今後はV93000の開発・設計拠点であるドイツでのバックアップ生産も行う考え。

 世界的にサプライチェーンが混乱しているなかで、「一番のリスクは部材調達」(吉田芳明社長)と認識しており、すでに一部パーツで支障が出てきていることも明かした。

電子デバイス産業新聞 副編集長 稲葉 雅巳

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執筆者
稲葉 雅巳
  • 稲葉 雅巳
  • 株式会社産業タイムズ社
  • 電子デバイス産業新聞 副編集長

2005年(株)産業タイムズ社入社、以後、電子デバイス産業新聞(旧:半導体産業新聞)編集部記者として、半導体を中心にエレクトロニクス業界の取材活動を続ける。2015年から副編集長。