新型コロナウイルスのピークアウト期待から米株が上昇

2020年4月17日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より607円06銭高の19,897円26銭となりました。終値ベースでは3月6日以来の高値です。取引時間中には一時、19,922円と2万円台に迫りました。

要因の一つは米トランプ大統領の発言です。16日にトランプ氏が、新型コロナウイルスの感染者が少ない地域から、経済活動を段階的に再開する方針であると発表。景気の改善につながるとの期待から投資家の間に買いが広がりました。

また、米国の大手バイオ製薬会社であるギリアド・サイエンシズ社の抗ウイルス薬「レムデシビル」が、新型コロナ重症患者の治療で効果があると報道されたことも好材料と見なされました。

今週の展開はどうなるでしょうか。欧米ではトランプ大統領をはじめ一部の指導者が感染拡大にピークアウトの兆しがあると言い始めています。

楽観するにはまだ早いと思われますが、市場はすでに期待を先取りするような形で上昇しています。17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、24,242ドル49セントと3月10日以来、ほぼ1か月ぶりの高値になっています。

日本株は週初から連れ高となるでしょうか。国内を見ると、新型コロナウイルスによる死者数は欧米に比べて抑えられているものの、感染者数はじりじりと増えています。

政府は16日、緊急事態宣言の対象を全都道府県に拡大しました。国内での経済活動がさらに停滞することが懸念されます。国内外の株式相場は戻り局面にはあるものの、今後の決算で業績が悪化するようであれば、売られる銘柄も出てくるでしょう。

一方、米国ではネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックスなどの「巣ごもり消費」銘柄が買われています。国内でも17日にはフリマアプリのメルカリが年初来高値を更新しました。