新興株市場の振り返りーマザーズが4日連騰、前日とは一転してLINE関連が買われる
2016年6月10日(金)の新興株市場は、JASDAQ指数が対前日比+0.1%上昇、東証マザーズ指数が同+0.2%上昇となりました。TOPIXは同▲0.5%下落でしたので、4 日連続でマザーズ市場はTOPIXにアウトパフォームしたことになります。
注目された動きは、前日の9日に売り込まれたLINE関連銘柄が「LINEは本日に上場承認」という複数のメディア報道を手掛かりに大幅高になったことです。そのLINEは、6月10日引け後に正式に7月15日に日米で上場することが承認されたと発表しました。
マザーズ市場の出来高は7,452万株、売買代金は1,951億円で、売買代金は前日から減少しました。値上がり銘柄数は106、値下がり銘柄数は111、変わらずは7銘柄でした。
マザーズ御三家はミクシィだけが下落
マザーズ時価総額トップ3は、ミクシィ(2121)のみが同▲3%の下落となり、CYBERDYNE(7779)及びそーせいグループ(4565)ともに同+1%の上昇でした。
マザーズでの売買代金上位は、1位がブランジスタ(6176)、2位がそーせいグループ、3位がアカツキ(3932)でした。
マザーズの上昇率トップはEC関連のHamee(3134)で対前日比+21%上昇(ストップ高)、2位がソーシャル・ウェブメディアを展開するグローバルウェイ(3936)で同+21%上昇(ストップ高)、3位が理美容機器の専門商社であるビューティガレージ(3180)で同+18%上昇でした。なお、Hameeは経済産業省と東京証券取引所が選ぶ「攻めのIT経営銘柄2016」に選ばれたことが好感された模様です。
一方、下落率トップは、創薬ベンチャーのグリーンペプタイド(4594)で対前日比▲9%下落、2位は葬儀関連サービスを手掛ける鎌倉新書(6184)で同▲9%下落、3位は創薬ベンチャーのUMNファーマ(4585)で同▲6%下落でした。なお、鎌倉新書は前日の9日に発表された決算が嫌気された模様です、
6月13 日の着眼点
6月10日(金)の欧州株式市場は、イギリスの英国の欧州連合(EU)離脱の可能性に対する懸念や、月半ばに予定されている主要中央銀行の政策決定会合を見極めたいという思惑から今年2月以来の大幅安となり、その流れを引き継ぎ米国株式市場も安く引けました。このため、13日の東京株式市場でも、大型株については見送り姿勢が強まると見られ、引き続き新興市場が短期資金の受け皿となる可能性が想定されます。また、7月半ばに予定されているLINEの上場やマザーズ指数の先物取引の開始も様々な思惑を生むことが見込まれます。こうしたなかで、LINE関連銘柄が10日に引き続き、買い進められるかを注視したいと思います。
LIMO編集部