エイジングを楽しむ気持ちの余裕ができると、余計なストレスを抱えずに済みます。日々朗らかに過ごしている方がむしろ白髪の生えるスピードが遅くなるのではと感じています。筆者自身の経験で言えば、母の介護がスタートしたところから白髪が増えてきたように思えます。自分ひとりで介護の大変さを抱え込み、結果的にストレスをかけることになったのではと考えています。

グレイヘアが印象的でステキに見える叔母が2人います。1人の叔母はいつもにこにこ笑っている機嫌のいい人です。叔父の葬儀の時、棺桶の中の叔父に「おとうちゃん、私、幸せだったよ!」と声をかけていて「そんな夫婦になれたらいいな」と思いました。彼女は紫のポイントメッシュをいれてグレイヘアを楽しんでいます。もう1人の叔母は、ゴルフに旅行にと自分の趣味に忙しい、これまたよく笑う叔母です。その人自身の生き方がポジティブで表情が明るいので、グレイヘアがネガティブな要素に映らないのです。年輪を重ねたことでしか得らないステキな表情が、グレイヘアをステキにするかしないかの「分かれ目」なのかもしれません。

今のアラフィフ、アラフォーは「日本人女性は黒髪が美しい」という従来の価値観でなく、自分の価値観が持てる世代です。髪を染める時の薬品の臭いが嫌なら、無理して染めなくてもいいのです。他人の目を気にしないで「自分がしたいように、自分らしく表現していいんだ!」と思えば気が楽になるもの。せっかくなので「エイジング」という名の変化、楽しんじゃいませんか?

堀田 馨