「社会人になってしばらく経ち、いつまでも仕事のミスが減らない自分自身が嫌いになっていきました。当時の上司は『女性だったらこう出来て当たり前だろう』という言い方をする人で、そのプレッシャーに耐えられずに退職し、次第に外出すること自体が減っていって、家にひきこもるようになってしまいました。」

「昔から、いわゆる『空気の読めない』ところがあったと自覚しています。大人になって、よくある女性同士の褒め合いや同調、共感といった振舞いが上手く出来ないことで人間関係の悩みが増えて、どんどん人付き合いを避けるようになっていきました。」

社会に出ると様々な場面で実感させられる「あるべき女性像」や「女性に求められる役割」のような固定観念が、「私もそうならなくちゃ」という重圧になってしまうのでしょう。そのギャップを埋められない自分自身を「社会不適合者だ」「人付き合いが下手で苦痛だ」と感じて、外の世界を避けるひきこもりになってしまうようです。

妊娠・出産による社会からの断絶、ひきこもる主婦たち

冒頭の調査では、広義のひきこもりに該当する人のうち12.8%が専業主婦・主夫であるとされています。結婚や妊娠・出産を機に退職して専業主婦になり、その結果としてひきこもりになってしまうというパターンもあるようです。