・「副業で、webライターとして活動していました。仕事は順調に増えていき、収入もアップしていく毎日。しかし、徐々に空き時間だけでは作業時間が足りなくなり、睡眠時間を削ってまで取り組むようになりました。
結局、体調を崩してダウン…。クライアントだけでなく、本業の職場の人にも迷惑をかけることに。もっと自分のキャパシティを把握しておくべきだったと反省しました」
・「年明けになり、ようやく確定申告の必要性に気が付きました。これまでの領収書などは一切保管しておらず、経費にできる金額の処理はできないまま…。
慌てて書類を作成して確定申告をしたものの、本来より多めに税金を払うことになりました。副業を始める前から、税金の知識を身につけておくべきでしたね」
・「副業でwebデザイナーの世界に足を踏み入れたものの、自分の知識量では対応できない案件ばかり。ようやく『これならできそう』と感じた依頼を引き受けたものの、私には理解できない修正依頼を見て愕然としました。もっとインプットの場を利用し、知識を深めておけばよかったです」
・「週末だけ、イラストレーターとして働いています。実際に働いてみると、『画材が足りない』『最新のソフトを購入しなければ』と足りないものが次々と明らかに…。焦って購入したものの、予想外の出費となりました。もう少し環境を整えてから働けば、もっとスムーズに取り組めたかもしれませんね」
・「データ作成を請け負っていましたが、パソコンがウイルスに感染してしまい作業ができなくなりました。取引先には事情を説明して納期を延ばしてもらいましたが、その後の発注はストップしてしまいました。情報管理の点で不安に思われてしまったのだと思います。ウイルスソフトをいつも最新の状態にアップデートし、不測の事態に備えて2台目のパソコンも用意しておけばよかったと後悔しています」
副業で報酬を得る以上、最低限のスケジュール管理や税金の知識が求められます。その道のプロとしての技術力もさることながら、通信環境やパソコンなどの設備投資も自腹でしなくてはなりません。仕事のスキル以外の、見えない部分での努力を怠らないことは、発注者からの信頼を得るためにとても重要なことといえます。
最近では、副業デビューに関する書籍も数多く販売されています。スタートしてから、「やっぱりこなしきれなかった…」なんてことのないよう、事前に勉強をしておきましょう。
まとめ
同じ「仕事」でも、会社員と副業では働き方が大きく異なります。「税金のことは会社に任せておけばいい」「分からない点は上司に聞こう」などと頼ることができない副業だからこそ、1人で道を切り開いていかなければなりません。
体調を崩しても、自分の代わりに仕事の穴埋めをしてくれる同僚はいません。パソコンが故障して作業ができなかった、という言い訳も通用しない可能性が高いでしょう。
これまで「原則禁止」だった副業が「原則OK」となったわけですが、これをきっかけに今後は各社が副業をどうとらえるかが注目されますね。
努力や苦労が必要となりますが、組織に頼らず自分のスキルで報酬を得る喜びは格別のはず。
収入が増えることにより、生活に安心感も得られるでしょう。本業との兼ね合いを考慮しながら、無理のない範囲で副業に挑戦してみてください。
【参考】
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」厚生労働省
「モデル就業規則平成31年3月版」厚生労働省労働基準局監督課
LIMO編集部