6時間におよぶ長く苦しい陣痛を経て、分娩室に入ったMさん。周りのスタッフに促され入室した夫は、何をするでもなくぼーっと立ち尽くすだけ。

「水分補給の介助をしてくれたり、汗を拭いてくれたりもなくて。かといってビデオを回すこともなく。ほんと役立たずで情けなかったです。それなのに、義実家への出産報告の電話だけはすぐにして……。やっと生まれたよ~って、あんたは何もしてないだろうって怒りしかなかったです。」

出産後は睡眠不足でノイローゼ…とにかく夫が大嫌いに 

退院して赤ちゃんと3人の暮らしが始まり、初めての育児に奮闘するMさん。生まれたのは男の子で、長時間立って抱っこしないと寝ないため毎日寝かしつけにとにかく苦労していました。運転士の夫は、勤務に支障が出るといけないという理由でMさん母子とは別室で寝るように。「もちろん睡眠不足で運転して事故を起こしてしまったら大変なので、しっかり寝てもらいたいという気持ちはあります。でも、2人の子どもなのになんで私だけ毎日こんなにボロボロな状態なんだろうって不公平感が募りました。」

まとまった睡眠がとれず、育児と家事の両立に苦しむMさんの心身は限界に…ノイローゼ状態になってしまいます。ぐずる赤ちゃんと暗い表情のMさんが待つ家庭を負担に思ったのか、長男誕生から3か月ほどで夫の帰宅が遅くなってきたそうです。夫の職場は頻繁に飲み会があり、そこで深酒した夫が帰ってくるのはいつも明け方。