新興株市場の振り返りー東証マザーズ指数はTOPIXを超える下落率
2016年6月1日(水)の新興株市場は、JASDAQ指数が対前日比▲0.4%下落、東京マザーズ指数が同▲1.4%下落となりました。TOPIXは同▲1.2%下落よりもマザーズの下げのほうがわずかですが厳しかったです。
マザーズ市場の出来高は8,766万株、売買代金は2,117億円でほぼ横ばいでした。値上がり銘柄数89、値下がり銘柄数133、変わらずは3銘柄でした。
5月31日は月末であったためか高値引けで終わりましたが、6月1日は午後2時前ごろから下げがきつくなりました。
下げの要因としては、海外株が下げたこと、米国の経済指標がまちまちであったこと、英国のEU離脱リスクが意識されたことなどから円高が進んだこと、またLINEのIPOの報道などが影響していると考えています。円高は東京時間の午後2時ごろから加速しました。これ全体が株売り全般につながったと言えるでしょう。
LINEのIPOの影響がマイナスに作用したと考えるのは、LINEの調達額が2,000~3,000億円とも言われ、この株式を購入するための換金売りが特に新興株市場から出やすいからだと推測します。そういう意味でトリプルパンチを浴びたと言えるでしょう。
マザーズ御三家はいずれも下げる。LINE関連株とブランジスタが上昇
物色動向ですが、マザーズ御三家は軒並み下げました。ミクシィ(2121)が対前日比▲0%、そーせいグループ(4565)が同▲2%、CYBERDYNE(7779)が同▲2%の下落でした。
上昇銘柄をみると、ブランジスタ(6176)が三連騰の同+6%、JIG-SAW(3914)が同+5%、アドウェイズ(2489)が同+7%、フリークアウト(6094)が同+6%、イグニス(3689)が同+6%上昇しています。このうちアドウェイズ、フリークアウトはLINE関連で物色されたと見られますが、高値を付けたあと売りに押され気味で終わりました。
一方、下落銘柄では、アキュセラ(4589)が同▲40%下げストップ安で引けました。このほか下げのきつかったのは、5月31日に東京証券取引所から特設注意市場銘柄の指定を継続すると通知を受けたエナリス(6079)が同▲21%下落しストップ安で引けました。また、第一四半期の業績が嫌気されたACCESS(4813)が同▲9%下落、前日上昇したアカツキ(3932)が同▲8%下落しています。なお、アキュセラについては6月1日引け後に今後の開発方針についてリリースが発表されました。
6月2日の着眼点
6月1日はトリプルパンチに見舞われましたが、LINE上場で関連銘柄が上がるというストーリーがどこまで持続するか気になります。むしろブランジスタに続く物色先がうまく出てくるかがポイントです。例えば、6月1日にパナソニックとIoT機器のセキュリティについて共同研究開始を発表したFFRI(3692)の株価の動きを見守りたいです。アキュセラの下落が収まれば雰囲気が変わるでしょう。
いずれにせよ、LINE上場で新興株は換金売りの対象にされそうですので、個別株の材料を丹念に追いかけていく必要があるでしょう。
LIMO編集部