株式市場の振り返り-弱い動き。東証マザーズ総合指数は3日続落も、下値を拾う動きあり。
2016年5月26日(木)の新興株式市場は、前日に続く弱い動きとなりました。日経ジャスダック平均は前日比▲0.3%の小幅下落、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は▲0.9%安の3日続落となっています。ただし、下落こそしたものの、下値を拾う動きが見られています。
東証マザーズ総合指数は、5月12~13日にかけて、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)を抜く目前まで戻りましたが、その後は調整を強いられています。26日の相場では、朝方に一時▲3.4%安まで下落する場面がありましたが、その後にやや切り返して、小幅安で終わっています。下値を拾う動きは意外に根強いようです。しかし、終値の攻防ライン1,100ポイントからは、また一歩後退を余儀なくされています。明日以降へ不安を残すことになりました。
26日は前日に続き、先週からの薄商いをやや脱した感がありました。26日の出来高は8,961万株となり、6日連続の1億株割れとなったものの、一時6,000万株が続いた状況を勘案すれば、極端に悲観する必要はないでしょう。ここ数日では最高の出来高です。また、出来高は前日より少し減ったものの、時価総額の大きい値嵩株の取引が増えたことから、売買代金は約1,961億円となり、前日より+210億円増加しています。なお、騰落状況は、値上がり銘柄数56、値下がり銘柄数161、変わらず8銘柄でした。
下落銘柄が目立った中、医療バイオ関連の下げがやや厳しい
26日の東証マザーズ市場は下落した銘柄が目立ちました。医療バイオ関連では、時価総額最大のそーせいグループ(4565)は+0%の横這いだった一方で、アキュセラ(4589)が▲17%となり、連日のストップ安となりました。また、グリーンペプタイド(4594)は▲5%、サンバイオ(4592)が▲4%、アンジェス MG(4563)が▲3%など、値を下げたものが多かったようです。
情報通信関連も値下がり銘柄が目立っており、アカツキ(3932)が▲14%のストップ安、エディア(3935)が▲3%、アクセルマーク(3624)が▲4%、グローバルウェイ(3936)が▲2%と値を下げています。前日に上昇したモルフォ(3653)は横這いでした。また、先週はストップ安が続いたブランジスタ(6176)は+4%と久々に上昇となりました。一方、25日は久々に物色対象となったフィンテック(FinTech)関連銘柄は、総じて安くなりました。ロックオン(3690)は▲4%、リアルワールド(3691)が▲3%などとなっています。
その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が▲0%、Gunosy(6047)は▲1%、はてな(3930)は▲4%、エナリス(6079)が+1%、ミクシィ(2121)が▲1%となっています。
安倍首相の言動に変化が出て、サミット終了後から動き出す可能性も
26日の新興市場は、朝方から売りが先行する不安な相場となりましたが、下値を拾う動きは健在でした。本格的な“物色第二波”が押し寄せるには、もう少し時間を要するのかもしれませんが、大崩れする懸念は小さくなったと言えましょう。何か一つきっかけが出てくれば、正しく、“物色第二波”を見ることは可能と考えます。
さて、ご存知の通り、26日からG7伊勢志摩サミットが始まりました。何も大きなニュースがないと思っていたら、安倍首相が本会議で「2008年のリーマン・ショック並みの危機が再発してもおかしくないほど世界経済が脆弱になっているとの認識を表明し、各国に財政出動を含む強力な政策の実施を促した」(日経新聞記事より)模様です。わざわざ“リーマン・ショック”という言葉を持ち出す等、明らかに消費増税延期への布石と考えられます。最終日の27日(金)も、何かしら動きがありそうです。
この安倍首相の言動から、サミット終了後に打ち出されると見られる国内の景気対策、及び、新たな成長戦略への期待が高まります。ただし、27日の相場は、上値を追いかるようなことはせずに、下値をコツコツと拾いたいところです。その中でも、先週からの下落が大きかった医療バイオ関連で、安くなった銘柄に引き続き注目です。さらに、今週に入って安くなっている情報・通信関連の下落銘柄にも着目したいところです。
LIMO編集部