このとき、同僚の単価を知らない状態で仕事をした場合は生産性に違いはありませんでした。しかし同僚の単価を知っている状態で仕事をした場合には、単価が高いグループの被験者よりも単価が低いグループの被験者の生産性が落ち込んだことが判明したのです。

つまり単価が低いグループの被験者は、自分よりも高い単価で雇われている同僚がいることを知らされたことで、自分の単価が相対的に低いことが判明したため、仕事のやる気をなくしてしまったということになります。

このように、同僚の給料よりも自分の給料が低いことを知ると仕事へのモチベーションが下がり、それが結果として生産性へも影響しているということが言えるでしょう。負のスパイラルに陥らず、また自分の仕事に誇りをもって継続していくためにも、あえて同僚の給料を聞くことは控えたほうが良さそうですね。

同僚よりも給料が低いことを知ると不幸になる!?

上記では、同僚の給料よりも自分の給料が低いことを知ると、仕事のやる気をなくして生産性が低下してしまうという研究結果をご紹介しました。ですが、相対的に自分の給料が低いという事実を知ることが及ぼす影響は、これだけではありません。

なんと、経済学者David Card氏らの仕事の満足度に対する同僚の給与の影響に関する実験(参照元②)によると、“同僚の給料を知ると、仕事への満足度に影響する”こともわかっているのです。

この実験では、半数の従業員に給与情報を公開するサイトを開設した旨のURLを送付して、その1週間後に全従業員を対象に仕事への満足度に関する調査をおこないました。