株式市場の振り返り-小幅高。日経平均株価は何気に4日続伸。新興市場は反落
2016年5月12日(木)の東京株式市場は小幅高となりました。日経平均株価は前日比+0.4%の上昇、TOPIXは+0.2%の上昇で引けています。これで、日経平均株価は4日続伸となりました(TOPIXは前日に下落)。一方、東証マザーズ総合指数は▲2.2%の反落でした。新興市場は利益確定売りに押された形です。
日経平均株価は、NY市場の大幅安、及び、トヨタ自動車(7203)の▲40%営業減益見通し等を受けて、前日比▲119円安で寄り付き、その後暫くして一時▲204円安まで下落しています。その後は下値を切り下げていき、後場の半ばからプラスに転じました。一時は+79円高まで上昇し、大引けは+67円高の16,646円で終わっています。
東証1部で上昇したのは898銘柄、値下がり925銘柄、変わらず128銘柄でした。蛇足ですが、この騰落数は偶然にも、前日とほぼ同じになりました(前日は値上がり899、値下がり925、変わらず127)。東証1部の出来高は20億6,771万株、売買代金は2兆1,713億円(概算)となっています。全体的には薄商いが続きました。
セクター動向と主要銘柄の動き-23業種が上昇、10業種が下落。ゴム製品が極端に大きく売られる
東証1部で上昇したのは23業種、下落したのは10業種でした。上昇率上位は、繊維製品+2.0%、鉄鋼+1.7%、鉱業+1.5%、精密機器+1.4%、その他製品+1.3%などでした。一方、下落率が大きかったのは、ゴム製品▲4.8%、医薬品▲1.1%、不動産▲0.8%、サービス▲0.4%、海運▲0.3%などでした。ゴム製品が極端に大きく売られたのが目立っています。
個別銘柄では、最大の注目だったトヨタ自動車は下落しましたが、下落率(終値)は▲1.4%と小幅に止まりました。同じ自動車関連では、タイヤ最大手のブリヂストン(5108)が急落し、三菱自動車(7211)との資本提携が報じられた日産自動車(7201)や、13日に決算発表を控えたホンダ(7267)も下落しています。なお、三菱自動車はストップ高となりました。その他では、ソフトバンクグループ(9984)、住友不動産(8830)、電通(4324)、カシオ計算機(6952)などが値を下げています。
一方、日立製作所(6501)、ソニー(6758)などの電機株や、アステラス製薬(4503)など医薬品株の一角も上昇しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株も小幅高となり、場中に決算発表を行った富士重工(7270)もその直後から急上昇して引けています。
本日のポイントと注目テーマと関連業種-過去に経験がない決算発表集中日、株価の投機的な変動に注意
12日(木)は、前日に2017年3月期の大幅減益予想(営業利益は▲40%減)を発表したトヨタ自動車に対する“トヨタ・ショック”が懸念されましたが、結果的には、トヨタ株も含め、その影響は極めて限定的でした。むしろ、それをこなして上昇した株式相場の強さが印象的だったと言えます。しかし、日々の出来高等を見ても、まだ本格上昇するエネルギーに欠けています。上昇か下落かは別として、相場が本格的に動き出すのは来週以降になりそうです。
さて、13日(金)は、過去最大の決算発表集中日となります。約900社が発表を予定していますが、全てが引け後に発表することは物理的にも不可能であり、必然的に、場中の発表が大幅に増加しましょう。場中の決算発表は、株価の予期せぬ変動につながる可能性があります。投機的な動きも見られるかもしれません。個人投資家の方々には、静観することをお勧めします。無暗矢鱈に動かずに、来週からの戦略を練る方が得策です。
そうは言っても、以前から注目していた銘柄の株価が急落した時は、拾いたくなるものです。その際には、最低売買単位(例:100株)でコツコツと参入しましょう。注目セクターは引き続き、内需関連銘柄のトイレタリー、医薬品、不動産などになります。特に、不動産株の下値を拾うことを意識し始めたいところです。
■参考記事■
>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント
LIMO編集部