「邦人拘束」は続くのか〜中国ビジネスを政治リスクから考える

今年秋、日本人の大学教授が北京で拘束され、幸いにもその後解放されるニュースが大きく取り上げられた。

だが、最近も、広州市で拘束されていた大手商社の40代男性が現地の裁判所からスパイ容疑で懲役3年の実刑判決を言い渡され、また、湖南省長沙市で、50代の男性が国内法違反により今年7月から拘束されていることが明らかとなった。

枚挙にいとまがない中国による「拘束」

中国では反スパイ法が成立した2015年以降でも邦人13人が逮捕され、うち9人が起訴、うち少なくとも6人に懲役刑が下された。だが、これは日本だけが抱える問題ではない。

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まず、中台関係が緊張する中、2016年から実に67人の台湾人が、国家の安全や治安を脅かしたなどの容疑で当局に逮捕され、行方不明となっている。

また、今年6月には、スペインを拠点に中国国民に電話で接触し、多額の金銭を詐取していたとして、スペインで逮捕された台湾人94人の身柄が中国本土に送られていたことが明らかとなったが、それ以降、消息など詳しいことは分かっていない。

オーストラリアは2018年6月、中国による内政干渉を意識して、外国政府の国内でのスパイ活動や内政干渉を防止する複数の法案を可決したが、中国は今年8月、オーストラリア国籍の作家の男性をスパイ容疑で今年1月に逮捕したと発表した。

この作家は、2000年にオーストラリア国籍を取得し、長年中国政治に関する論評活動を行っていたが、今年1月、ニューヨークから広州に到着した際、空港ですぐに身柄を拘束された。

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OSCアドバイザー/清和大学講師
岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障戦略研究所(SSRI)研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員などを兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら