水は低きに流れます。歯向かえない親のいうことを聞いて溜まったストレスのはけ口は、弱い方へ向かいます。小学校6年生の教室で聞く噂は「え?あの子がそんなことするの?」ということもあります。成績もよく愛想も限りなくいいのですが、チクチクと特定の子をいじめたりしているようです。

吐き出さなければならないストレスを生む加重なノルマが、12歳の子供に課せられるのはどうなのでしょうか?

親子とも無理のし過ぎは禁物

「自分はそういわれて育った」親は自分の物差しを子供に当ててしまいがちです。教育虐待は親が高学歴な家庭で起こる、もしくは自分が行けなかったことのコンプレックスのある親の下で起こることが多いといわれています。

やっている本人が、受験を「試練」と受け止めているかどうか?もポイントです。ただ「苦痛」で終わってしまうと、無理したリバウンドが出るという話も見聞きします。

ある作家さんの話で、進学校に講演に行った時のエピソードを聞いたことがあります。本当にいい子ばかりなのですが、将来何がやりたいのか?が決まらないから進学先の学部もなかなか決められないそうです。親や先生に言われた勉強はしっかりこなせるけど、自分で決めてといわれても「どうしよう…」となる子が多いそうです。

世間体のためでなく、自分がいい!と思うもの、心地がいいと思う直観をもっと信じていいのです。そのためには心ときめく体験を一つでも多く持っていることが大切です。誰かのモノサシでなく、子供が楽しい!と感じる感性を大事にして、子供と一緒に将来のことを楽しく考えられるようになるといいですね。

堀田 馨