だからといって、お互いじっくり話し合って、反省して、また友人関係復活させたい・・・と思うほどの気力は私にはありませんでした。むしろ、「ストレスになるような友人なんていらない」という気持ちだったのです。
しかし小学2年生の娘が友人関係に悩んでいるときや、お友達と喧嘩したとき筆者は「お友達は大切だよ」という話をしています。心の中で「我ながらよく言うなぁ」と苦笑してしまいますが。それでも娘くらいの年頃は、友人関係が世界のすべてで、友達と喧嘩したときには、世界の終りのように絶望してしまう・・・それがよくわかっているがゆえに、そう言ってしまうのです。
歳を重ね、考え方やライフスタイルが変わったり、他にも大切な存在ができたりした今だから、友人云々で悩んでいる暇はないと思っています。確かに友達も大切だけれど、それ以上に自分のことや自分の家族を大切にしたい、と強く願っているので、たとえ数十年来の友人でも、「考え方が合わないな」と感じたり、一緒にいることでモヤモヤしたりしてしまうくらいなら、潔く縁を切ってしまうべきだ、と感じたのです。
また、「数十年来の親友である」という呪縛にとらわれて、嫌なことを言われても笑顔で耐える姿を見せるよりも、たとえ親友と呼べる人がいなくても、毎日笑顔で幸せに暮らしている親の姿を見せたい、という考えもありました。昔の彼女との日々を思い出すと、寂しくないと言えばウソになります。しかし、友達関係にストレスを感じた時は、その人との関係を見つめ直すべき時である、というのが今回筆者が得た教訓です。
まとめ
最近、友人関係でいろいろな想いを巡らせている娘に「お母さん、お母さんの一番友達は誰?」と聞かれました。そのとき筆者は「たぶん、これから出会えるんじゃないかな」と答えました。「親友」という存在は心強く、人生を豊かにしてくれます。そう考えると、彼女は私にとって「親友」ではなかったのかもしれません。
子どもたちはたやすく「親友」という言葉を使いがち。「親友だからこそ、相手のことを慮る必要がある」ということを教えていきたいなぁ、と感じるのでした。
大中 千景