4.2 年末年始の出費を書き出しておく

年末年始は、帰省の交通費やお年玉、年越しの準備など、ふだんの月にはない出費が重なりやすいので注意が必要です。見込みの金額を書き出しておくと、ボーナスの使いすぎを防ぎやすくなるでしょう。

書き出すときは、すでに決まっている出費と、行事や付き合いで増えそうな出費を分けておくと整理しやすくなります。家族で予定を確かめながら見込みを立てておけば、年が明けてから「思ったより使ってしまった」と慌てることも減らせるでしょう。

ボーナスの金額は、勤め先の業績などによって変わることもあるでしょう。毎月の赤字を埋めるお金としてあてにせず、貯蓄や大きな出費への備えとして考えておくと、家計が安定しやすくなります。

5. 【無理なく貯蓄を続けるには】固定費の見直し、制度の確認、目標からの逆算

貯蓄は、続けることがいちばんの近道といえそうです。無理なく続けるための考え方を3つの順番で整理します。

5.1 まず、毎月の固定費を見直す

支出を記録しているなら、記録して終わりにせず、毎月決まって出ていくお金に目を向けてみましょう。通信費やサブスクリプション、保険料、電気代などは、契約を見直すだけで毎月の支出が下がることがあります。

固定費は一度見直すと、その効果が毎月続くのが特徴です。浮いたお金は、気づかないうちに使ってしまわないよう、給料日に貯蓄用の口座へ自動で移す仕組みにしておくとよいでしょう。

5.2 次に、税金や非課税の制度を知っておく

国税庁の説明では、所得税には医療費控除や生命保険料控除といった所得控除があり、要件に当てはまれば税金の負担が調整されます。使えるかどうかや手続きは、国税庁の案内で確かめてみてください。

金融庁の説明では、NISAの口座で買った株式や投資信託の売却益や配当には、税金がかかりません。2027年1月には、つみたて投資枠の年齢の要件がなくなる予定です。

ただし、投資には元本割れのリスクもあります。仕組みを理解したうえで、当面使う予定のないお金の範囲で考えることが大切です。

5.3 そして、目標の金額から逆算する

毎月いくら貯めればよいか決めにくいときは、目標の金額から逆算してみるのもひとつの手がかりになります。たとえば30年で4000万円を貯める場合、運用をしないで積み立てると、毎月11万1111円ほどが必要になります(筆者の計算)。

金額の大きさに驚くかもしれませんが、目標の時期や金額を家族で話し合って見直せば、毎月の目安も変わってきます。まずは続けられる金額から始め、収入や支出が変わったときに見直していくとよいでしょう。

6. まとめにかえて

2025年の二人以上の世帯の貯蓄現在高は、平均値が2059万円、貯蓄保有世帯の中央値が1264万円でした。平均値に届かない世帯が66.1%を占め、家庭によって貯蓄の金額には大きな幅があるといえそうです。

物価高のなかでも、固定費の見直しやボーナスの先取り、目標からの逆算など、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

これから年末に向けて、今の貯蓄額と年末年始の出費の見込みを書き出し、来年の目標を家族で決めておくと、新しい年を迎えられるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子