4.1 確定申告がいらない人も多い
国税庁によると、公的年金等の収入が400万円以下で、その全部が源泉徴収の対象となり、公的年金等以外の所得金額が20万円以下の場合は、確定申告の必要はありません。
自分があてはまるかどうかや手続きの詳しいことは、税務署・お住まいの市区町村で確かめてください。
4.2 届いた源泉徴収票は、家計の記録として取っておく
源泉徴収票は、1年分の年金から差し引かれたお金を振り返る手がかりにもなります。年金の金額と実際に手元に残るお金の差を、わが家の数字で見ておくと安心です。
書類は1年ごとにまとめて保管しておくと、年金の金額や差し引かれるお金の変化を追いやすくなるでしょう。
5. 【高齢者世帯の暮らし向き】「苦しい」は52.1%。2022年の48.3%から上がる
同じ2025年国民生活基礎調査では、高齢者世帯の52.1%が、暮らしを「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)と答えています。
5.1 【一覧表】高齢者世帯の生活意識一覧表(2025年)
- 大変苦しい:21.0%(2022年は18.1%)
- やや苦しい:31.1%(2022年は30.2%)
- 普通:41.7%(2022年は45.1%)
- ややゆとりがある:5.4%(2022年は5.8%)
- 大変ゆとりがある:0.8%(2022年は0.8%)
対象は1章と同じ高齢者世帯です。3章の支出は家計調査の夫婦のみの無職世帯の数字で、区切り方が違うので、数字は別々に読みたいところです。
5.2 苦しさの中身を、収入と支出に分けて考える
「苦しい」と感じる理由は、世帯によってさまざまでしょう。苦しさが収入から来ているのか、支出から来ているのかを分けて考えると、家族とも話し合いやすくなるかもしれません。
たとえば、毎月の年金の金額は変えにくくても、支出の中には見直せる費目があるかもしれません。反対に支出を削るのが難しいときは、貯蓄をどのくらいのペースで使うのかを考えておくことになるでしょう。
暮らし向きの感じ方は、数字だけで決まるものではありません。健康や住まい、家族とのつながりなども、安心して暮らせるかどうかに関わってくるでしょう。
だからこそ、数字で確かめられる収入と支出は早めに整理しておき、残りの気がかりに目を向けられるようにしておきたいところです。
6. まとめにかえて
2025年国民生活基礎調査で2024年の所得を見ると、高齢者世帯の1世帯あたりの平均は336.1万円で、そのうち公的年金・恩給が205.9万円でした。年金暮らしの収入と支出に加えて、年明けに届く源泉徴収票もあわせて確かめておくと、わが家の家計の形が見えてきます。
高齢者世帯の52.1%が暮らしを「苦しい」と感じているという調査の結果もあり、収入と支出の両方に目を配っておくことが大切になりそうです。年金だけでなく仕事の収入も平均で71.8万円でした。最近では長く働き続ける方もふえているので、「自分に合っているのか」を重要視して長く働くことができるキャリアについて考えてみるのもよいでしょう。
今回の平均の数字を目安にしながら、わが家の収入と支出、これからの暮らし方を、家族と一緒に見つめ直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査結果」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「老齢年金」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 日本年金機構「「令和7年分公的年金等の源泉徴収票」の送付について」
川勝 隆登