年金で暮らす世帯は、1年間にどのようなお金で家計を支えているのでしょうか。公的年金が家計の柱になっていることは想像しやすくても、そのほかにどんな収入がどれくらいあるのかまでは、意外と知る機会が少ないものです。

厚生労働省の2025年国民生活基礎調査では、2024年1年間の所得を、働いて得た稼働所得や公的年金・恩給、財産所得などの種類に分けてまとめています。高齢者世帯の1世帯あたりの平均所得金額の内訳もわかります。

ここでの所得は、税金や社会保険料を差し引く前の金額です。毎月自由に使えるお金そのものではありませんが、家計の収入の形を知る手がかりになるでしょう。年金で暮らす期間が長くなるほど、収入の形を知っておく意味は大きくなりそうです。

本記事では、高齢者世帯の所得の内訳を一覧表で紹介します。数字は平均なので、わが家の収入の形と並べるときのひとつの目安として読んでみてください。

記事の後半では、公的年金の仕組みや年金暮らしの支出の内訳、年明けに届く年金の源泉徴収票、高齢者世帯が感じている暮らし向きの苦しさも取り上げます。

1. 高齢者世帯【収入内訳の一覧表】平均所得336.1万円のうち、年金は205.9万円

この調査の高齢者世帯は、65歳以上の人だけか、そこに18歳未満の人が加わった世帯です。2024年1年間の1世帯あたりの平均所得金額は336.1万円でした。

1.1 【一覧表】高齢者世帯の所得の種類別の内訳一覧表(2024年)

  • 総所得:336.1万円(100.0%)
    • うち稼働所得:87.1万円(25.9%)(うち雇用者所得:71.8万円(21.4%))
    • うち公的年金・恩給:205.9万円(61.3%)
    • うち財産所得:19.4万円(5.8%)
    • うち公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1.7万円(0.5%)
    • うち仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得:21.9万円(6.5%)

かっこ内は総所得に占める構成割合で、公的年金・恩給は61.3%でした。

高齢者世帯の所得の種類別の内訳(2024年)1/2

高齢者世帯の所得の種類別の内訳(2024年)

出所:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」をもとにLIMO編集部作成

1.2 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の41.3%は、所得がすべて公的年金・恩給

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで、公的年金・恩給が総所得の100%を占める世帯は41.3%でした。

1.3 年金のほかに、どんな収入があるかを書き出してみる

平均で見ると、公的年金・恩給を柱にしながら、働いて得る収入や預貯金・不動産などからの財産所得、企業年金や仕送りなどを組み合わせている世帯の姿が浮かびます。

一方で、所得がすべて公的年金・恩給という世帯もあり、収入の形は世帯によってさまざまでしょう。

わが家の1年間の収入を、年金、働いて得るお金、利子や配当、企業年金や個人年金などに分けて書き出してみると、家計の土台がつかみやすくなります。実際に使えるお金は、税金や社会保険料が差し引かれる分も含めて確かめておきたいところです。

年金だけで暮らすのか、少しでも働き続けるのか、企業年金や個人年金をどう受け取るのかによって、家計の組み立て方は変わってきます。平均の数字をきっかけに、わが家にはどの形が合いそうかを家族で話し合っておくと安心でしょう。