夫が定年退職すると、扶養内で働いてきた妻の保険料はどうなるのでしょうか。夫が会社を辞めて厚生年金から外れると、扶養されていた妻は第3号被保険者から外れ、自分で保険料を納めることになります。

厚生労働省を担当する記者として社会保障の制度を取材してきた経験からお伝えすると、夫の退職日を境に、妻の健康保険と年金の手続きが別々に動く点は見落とされやすいと考えられます。ここでは、日本年金機構と協会けんぽの案内をもとに整理します。

夫60歳・妻57歳の夫婦を例に、妻が60歳になるまでに納める保険料と、夫が再雇用で厚生年金に入り続ける場合との違いを試算します。

※日本年金機構「配偶者が転職・退職したときの手続き」「国民年金に加入するための手続き」「国民年金保険料」、全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」「令和8年度保険料率」の案内をもとにしています。2026年11月に確認しました。

※保険料の額は令和8年度のものです。翌年度以降は変わります。

1. 夫が退職して会社の保険を外れると、扶養内の妻の保険料は?第3号から第1号になり、月1万7920円を自分で納める

日本年金機構によると、健康保険・厚生年金の被保険者だった夫が退職して自営業者などになった場合、被扶養者だった妻は国民健康保険などへ、国民年金は第3号から第1号へ切り替える必要があると案内されています。

  • 【第3号被保険者の要件】日本国内に住む20歳以上60歳未満で、厚生年金に加入する配偶者に扶養され、原則年収130万円未満
  • 【第3号の保険料】自分で納める必要がない
  • 【第1号の保険料】月1万7920円(令和8年度)
  • 【切り替えの手続き】住所地の市区役所・町村役場で、退職日の翌日から14日以内

第3号は、厚生年金に加入する配偶者に扶養されていることが要件とされています。夫が退職して厚生年金から外れると、妻の年収が130万円未満のままでも、第3号の要件から外れます。