5. 【立場別】専業主婦・公務員・50歳代…「自分の場合」はどっち?

「自分の場合はどちらが向いているのか」が、いちばん気になるところではないでしょうか。代表的なケースを見ていきます。

5.1 専業主婦(夫)・扶養内で働く方の場合

所得税や住民税の負担がもともと小さい、あるいはない場合、iDeCoの「所得控除」のメリットは出にくくなります。所得控除の対象となる税額そのものが少ない、またはないためです。

このケースでは、運用益が非課税になり、いつでも引き出せるNISAから検討するのも一つの考え方でしょう。

5.2 会社員・公務員の場合

給与所得がある方は、iDeCoの所得控除によるメリットを受けられる可能性があります。現在は公務員もiDeCoに加入できます。

ただし、2026年11月分までは勤務先の企業年金の有無によって掛金の上限が変わります。12月分からは企業年金などの掛金と合わせて月6万2000円が上限となるため、勤務先の企業年金の掛金額によってiDeCoで出せる金額が変わる点には注意が必要です。

NISAの柔軟性とiDeCoの税制メリット、その両方を活かす併用も選択肢になるでしょう。

5.3 50歳代・プレシニアの場合

老後資金を具体的に考え始める方が増える時期ですが、iDeCoは加入時期によって受給開始年齢が異なる場合があります。

60歳から受け取るには、原則として60歳時点で通算加入者等期間が10年以上必要です。50歳代から始める場合は、何歳から受け取れるのかを事前に確認しておきましょう。

なお、2026年12月からは、一定の要件を満たせば70歳になるまでiDeCoに加入し、掛金を拠出できるようになります。

6. 【iDeCoはやめたほうがいい?】よく言われる理由を冷静に見ていきましょう

ここまで立場別の選び方を紹介してきましたが、一方で「iDeCoはやめたほうがいい」という意見を目にすることもあります。その理由について確認してみましょう。

主に挙げられるのは、次の3点です。

  • 原則60歳まで引き出せない(流動性の低さ)
  • 口座管理手数料などのコストが継続的にかかる
  • 受け取り時に課税の対象となる場合がある

まず、iDeCoは60歳まで資産を引き出せません。急な出費に対応しにくい一方で、老後資金を途中で使わずに残しやすい制度とも言えます。

次に「手数料」です。iDeCoは加入時や運用中、給付時などに手数料がかかります。元本確保型の商品を選んだ場合でも、手数料負担によって資金全体が目減りする可能性があります。また、運用商品によっては元本割れする可能性がある点も理解しておきましょう。

また、iDeCoは受け取る際に課税の対象になる場合があります。ただし、一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となるため、受け取り方も含めて考える必要があります。

iDeCoは、誰にでも合う制度とは限りません。引き出し制限や手数料、受け取り時の税制を理解したうえで、自分の家計や老後資金計画に合うかを判断しましょう。