NISAとiDeCoはどちらも税制優遇のある制度ですが、NISAはいつでも引き出せ、iDeCoは掛金が全額所得控除になる代わりに原則60歳まで引き出せないなど、目的や仕組みが異なります。本記事では両制度の違いや併用の可否、優先順位の考え方、立場別の向き・不向きを、2026年12月からのiDeCoの改正もふまえて解説します。
資産形成への関心が高まるなか、「NISA」と「iDeCo」は、資産づくりの代表的な制度で、どちらも国が用意した税制優遇のある制度です。
名前は知っていても「NISAとiDeCoの違いがよくわからない」と感じている方も少なくありません。さらに、両方を併用すべきか、どちらを優先して先に始めるべきかで迷い、なかなか一歩を踏み出せないケースもあります。
そこで本記事では、「NISA」と「iDeCo」の違いを基本から整理し、併用の可否や優先順位の考え方、立場別の向き・不向きまで、ファイナンシャルプランナー監修のもとでわかりやすく解説していきます。
1. 【まず整理】「NISA」と「iDeCo」は何が違う?基本のしくみを解説
最初に、それぞれの制度の基本をおさえておきましょう。
「NISA」と「iDeCo」はどちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度ですが、制度の目的や仕組みが異なります。
1.1 【NISA】とは?「いつでも引き出せる」非課税制度
「NISA(少額投資非課税制度)」は、NISA口座で一定の条件を満たす金融商品を運用して得た利益が非課税になる制度です。
通常、投資信託や株式の運用益には「20.315%」の税金がかかりますが、NISA口座での運用益にはこの税金がかかりません。
2024年から新しいNISAが始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つが用意されています。年間の投資上限や非課税で保有できる金額の枠も拡大しました。
さらに2027年1月からは、つみたて投資枠の年齢要件が撤廃され、0〜17歳の未成年者もNISA口座を開設できるようになります。未成年者の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。
NISAの大きな特徴は、「必要なタイミングで売却し、資金を引き出せる」点です。教育費や住宅資金など、将来使う予定のあるお金の準備にも向いています。
1.2 【iDeCo】とは?「老後資金づくり」に特化した私的年金
一方の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、自分で掛金を出して運用し、老後に受け取る私的年金の制度です。
iDeCoには、NISAにはない大きな特徴があります。それは「掛金が全額所得控除の対象になる」という点です。運用益が非課税になるのはNISAと同じですが、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担が軽くなる場合があります。
iDeCoを利用するうえで押さえておきたいのが、「原則60歳まで資産を引き出せない」といった点です。老後資金づくりを目的とした制度であるためです。
また、掛金の上限額は職業や加入している企業年金の有無によって異なります。2024年12月に掛金上限の見直しが行われたのに続き、2026年12月分の掛金からは上限が引き上げられます。
自営業者などは月6万8000円から月7万5000円に、会社員・公務員は企業年金などと合わせて月6万2000円になります(企業年金のない会社員は月2万3000円から月6万2000円)。専業主婦(夫)などは月2万3000円で据え置きです。
※iDeCoの掛金上限額や加入できる年齢、受給開始の条件は変更されることがあります。ご自身の上限額はiDeCo公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。