親が年齢を重ねるにつれ、「いつか」のことがふと頭をよぎる人もいるでしょう。考えたくはないけれど、葬儀はどう手配すればよいのか、費用はどれくらいかかるのか、少しずつ気になり始めることもあるかもしれません。

2026年9月30日に厚生労働省が公表した「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」では、老衰で亡くなった人は21万4712人で、死因の第3位でした。

葬儀の費用については、2026年6月3日に国民生活センターが「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-『家族葬だから安い』と思っていませんか?-」を公表しています。2025年度に寄せられた葬儀サービスの相談917件のうち、52.6%は「高価格・料金」に関するものです。

本記事では、2つの公的資料の数字を整理しながら、いざというときに慌てないよう、葬儀社に依頼する前に確認しておきたい点を紹介します。

1. 死因の第3位は老衰で21万4712人、前年から7825人増

令和7年の死因順位(上位5位)1/3

令和7年の死因順位(上位5位)

出所:厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」第7表をもとにLIMO編集部作成

同統計によると、令和7年の死亡数は158万9533人でした。前年の160万5378人から1万5845人減り、5年ぶりの減少となっています。

死因の順位と死亡数、死亡総数に占める割合は次のとおりです(カッコ内は前年の死亡数)。

  • 第1位:悪性新生物<腫瘍> 37万8829人・23.8%(38万4111人)
  • 第2位:心疾患(高血圧性を除く) 22万539人・13.9%(22万6388人)
  • 第3位:老衰 21万4712人・13.5%(20万6887人)
  • 第4位:脳血管疾患 10万361人・6.3%(10万2821人)
  • 第5位:肺炎 8万4021人・5.3%(8万176人)

上位5位のうち、前年より死亡数が増えたのは老衰と肺炎の2つです。

老衰は21万4712人で、前年の20万6887人から7825人増えました。死亡総数に占める割合も、前年の12.9%から13.5%に上がっています。

全体の死亡数が減るなかで、老衰による死亡は前年を上回りました。

男女別に見ると、女性では老衰が死因の第2位です。くわしい内訳は3ページ目で紹介します。

2. 葬儀サービスの相談は年900件前後、52.6%が「高い」という相談

葬儀サービスの相談件数と「高価格・料金」の割合(2019〜2025年度)2/3

葬儀サービスの相談件数と「高価格・料金」の割合(2019〜2025年度)

出所:国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-『家族葬だから安い』と思っていませんか?-」をもとにLIMO編集部作成

国民生活センターが全国の消費生活相談をまとめたところ、葬儀サービスの相談は年間900件前後で推移しています。

年度ごとの相談件数と「高価格・料金」に関する相談の割合を並べると、次のようになります。

  • 2019年度:632件(33.2%)
  • 2020年度:686件(43.1%)
  • 2021年度:800件(50.0%)
  • 2022年度:951件(50.9%)
  • 2023年度:886件(50.3%)
  • 2024年度:978件(49.4%)
  • 2025年度:917件(52.6%)

件数はいずれも2026年3月31日までにPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された分です。

「高価格・料金」とは、金額が相対的に高いかどうかにかかわらず、相談者が「高い」と申し出た相談を指します。

2.1 「高い」という相談の割合はどう変わった?

「高価格・料金」の割合は2019年度の33.2%から2025年度は52.6%となり、19.4ポイント上がりました。2021年度以降は50%前後で推移しており、相談のおよそ半分が料金をめぐるものといえます。

同センターによると、2025年度の主な相談内容(複数回答)は「高価格・料金」が482件で最も多く、「説明不足」346件、「見積もり(全般)」194件が続きます。

相談における平均契約購入金額は年々増加傾向にあり、2025年度は約109万円でした。

なお、2025年度の917件は、年度が終わった直後の時点での件数です。

前年の同じ時期(2025年3月31日までの登録分)の2024年度は911件でした。登録はその後も進むため、2024年度の978件と単純に比べて件数が減ったとはいえない点に注意が必要です。