親が長年掛けてきた冠婚葬祭互助会の積立金について、「満期まで払い終えたのだから、解約すれば全額戻ってくるはず」と考えていたのに、解約手数料を差し引くと言われて戸惑う人もいます。
一般社団法人終活協議会が2026年10月に公表した調査では、終活ガイド資格の受験者1014人のうち44.4%が、家族で最もできていない準備に「家族で話し合うこと」を挙げました。
互助会のように親が一人で掛けてきた契約は、家族が中身を知らないまま解約の場面を迎えることもあるため注意が必要です。
解約手数料の仕組みや返金の目安期間、国が事業者に求める手続きのルールを整理します。
1. 「満期なら全額戻る」は本当ですか?
1.1 8年近く掛けた互助会で「解約手数料5万円」の相談も
親が掛けていた互助会の扱いをどうするかは、子世代が向き合うことの多い問題です。
大阪市消費者センターが2025年12月22日に掲載した注意喚起「冠婚葬祭互助会とのトラブルに注意!」では、父親が8年近く掛けていた互助会を解約することになり、解約手数料として5万円を差し引くと言われたという相談事例が紹介されています。長年積み立てたのに納得がいかない、という内容です。
1.2 互助会は「預金」ではなく前払いの契約
「満期になれば全額戻る」と考えてしまう背景には、互助会の積立金を銀行の預貯金と同じように捉えてしまうことがあります。
互助会は、将来の葬儀や結婚式などのサービス(役務)を受けるために、代金を前もって分割で支払う「前払式特定取引」という契約です。同センターは、満期になっていても冠婚葬祭のサービスを利用せずに解約する場合は、所定の解約手数料が差し引かれると説明しました。
福岡市も「冠婚葬祭互助会の解約」(2024年5月9日掲載)で、預貯金と違って利息は付かないこと、サービスを利用せずに解約すると積立金より少ない金額しか返金されないことに注意を促しています。
2. 解約手数料はいくら? 国の研究会が示した例
2.1 30万円コースで4万2450円→平均約2万1500円(2013年時点)
「解約手数料は具体的にいくらかかるのか」と気になる人も多いでしょう。
経済産業省の「冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会報告書」(2013年12月)には、過去の見直しの例が記されています。月3000円を100回支払う「30万円コース」では、4万2450円だった解約手数料が、平均で約2万1500円に引き下げられました。これは、全日本冠婚葬祭互助協会が約款を監修した16社22コースの単純平均です。
ただし、この数字は2013年時点の例で、現在の各事業者の手数料額を示すものではありません。コースや契約時期によって適用される約款は異なるため、この平均額と自分の契約をそのまま比べることは難しいでしょう。
2.2 手数料は約款と早見表で確認を
実際の解約手数料の額や計算方法を確認する手がかりは、契約時の「約款」と、それに添付される「早見表」です。
経済産業省 近畿経済産業局の「互助会の解約について」(2021年6月17日更新)によると、解約手数料は全日本冠婚葬祭互助協会が作成した標準約款で上限が定められており、早見表などの分かりやすい形で示すことになっている、と説明されています。
経済産業省の「割賦販売法(前払式特定取引)に基づく監督の基本方針-冠婚葬祭互助会編-」も、事業者に解約手数料の算定根拠を明確に説明し、消費者の理解を得るよう努めることを求めました。解約を考えたら、まず加入先に約款と早見表を見せてもらい、説明を受けるところから始めましょう。